オートレース

【川口オート・SG日本選手権】黒川京介が地元でSG初制覇 無傷6連勝で達成

 川口オートのSG「第56回日本選手権オートレース」は6日目最終日の4日、最終12Rで優勝戦が行われ、地元の黒川京介(26)=川口=が1コーナーを先取って、そのまま逃げ切り快勝。念願のSG初制覇を6連勝の完全Vで飾るとともに、賞金1820万円(副賞含む)を獲得した。2着は懸命に追走した青山周平が入り、3着は中村杏亮が確保した。なお黒川は、優勝戦1回目のスタートでフライングをしたため次回の日本選手権には出場できない。

SG初制覇を果たし、笑顔で賞金ボードを掲げる黒川京介

■ヒーロー
 新たなスターの誕生にボルテージはマックスに達した。デビューから7年、この日のために封印していたウイニングランでのガッツポーズ。黒川は何度も何度も歓喜する地元ファンに向けて披露した。「SGで勝つまではやらないって決めていました。やっとできてうれしい」。SG優出9回目の挑戦でつかんだ栄光を、6連勝完全Vの偉業で飾った。

ウイニングランでガッツポーズの黒川京介

 最初のスタートはまさかのフライング。「他の選手やファンに申し訳なかった。でも、切れ自体はすごく良かったので」と、仕切り直しとなった2度目も思い切り行った。出だしは青山に少し遅れたかに見えたが、伸び返すと1コーナーへ真っ先に飛び込んだ。「いつも序盤でやられていたので、締め気味に速く回ろうと思った」。中盤まで青山の攻撃をしのぎ切ると、その後は徐々に引き離して会心のゴールを駆け抜けた。「直線が伸びていく感じで、体感は準決より良かった。いつもよりはどうにかなると思った」。これまで準Vが2回、3着が2回。あと一歩のところで逃していたSGタイトルを、ようやく手に入れた。ちなみにSGの優勝戦でF後に優勝した選手は、記録に残っている1991年以降はいない。

先頭を走る1号車の黒川京介

 オートとの出合いは川口だった。ポケバイのレースでこのコースを走った時からの「小さいころからの夢」はスーパースター王座決定戦(12月27~31日・川口)で優勝すること。今年で3回目となる年末の大一番に「ここで満足しないようにまだまだ進化します。いい結果が出せるように頑張ります」。ニューヒーローはおごることなく謙虚に、前だけを見つめていく。

表彰式でファンの声援に応える黒川京介

 ◆黒川京介(くろかわ・きょうすけ)1998年7月31日生まれ。千葉県出身。川口33期として2017年7月にデビュー。車名はイットウセイ。趣味はモータースポーツ。獲得タイトルは、SGは日本選手権(24年)、GⅠはスピード王決定戦(19年)、キューポラ杯(24年)、GⅡは川口記念(22年)、小林啓二杯(23年)、ウイナーズC(23年)、若獅子杯(24年)。通算成績は960戦270勝、優勝16回。160センチ、52キロ、O型。

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