オートレース

加賀谷GⅠ初制覇 開設記念レース 【飯塚】

“ビッグボス”ポーズでG1初Vの喜びを表す加賀谷建明
“ビッグボス”ポーズでG1初Vの喜びを表す加賀谷建明

 飯塚オートのG1開設66周年記念レースは最終日の23日、最終12Rで優勝戦を行い、今回が復帰戦だった加賀谷建明(44)=川口=が得意の雨で躍動。序盤で決着をつける速攻劇で見事、G1初制覇を成し遂げた。2、3着は中村杏亮、浦田信輔の地元勢が食い込んだ。人気の一角、青山周平は5着に終わった。5日間の総売上額は10億8425万円余り(目標額13億円)だった。

■ヒーロー

 この結末は誰が予測できただろうか? 当の本人でさえも驚くばかりのフィナーレ。大病から3カ月のブランクを経て今節が復帰戦だった加賀谷が、わずか2周回であっさりと決着をつけた。しかもこれがG1初制覇。「20何年も選手をやってきて、このタイミングで優勝とは。なんで、という感じ」。まずは自らが起こしたミラクルが信じられず目を白黒させた。

 それでもVの実感はじわり。表彰式に向かう時には「きちゃったね。やっぱり手術したことがね。もう戻ってこられないかもと思っていたし…」。つらく、不安しかなかった時期を思い出すと自然と涙が流れた。

 今節は、出場が決まっている年末の川口SGスーパースターに向けて「慣らすつもり」で参戦した。しかし、いざ始まってしまえば、あれよあれよの快進撃。

 そして迎えた優勝戦は得意な雨走路。神様が降らせてくれたかなと聞かれ、「大輔(重富)が応援してくれたのかも。背中を押してくれたと思う」。4月に病気で亡くなった同期で、同じく雨が大得意だった重富大輔さんに思いをはせた。

 さぁ、年末の大舞台まではあと4節。「今節で乗れるというのか分かったから、あとは車をしっかりさせていきたい」。新車か、今回の車で行くか、残りの節でしっかりと見極めるつもり。いきなり完全復活した“ビッグボス”が、SG初制覇のミラクルまで起こせるか楽しみになってきた。 (三島隆助)

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