1月12日(木)~15日(日)
ボートレースびわこ プレミアムGⅠ「第4 回BBCトーナメント」開催
飛躍の年に「びわこ」で新春駆ける!
昨年は遠藤エミ(34)=滋賀支部=が女子選手として史上初のSG制覇の大偉業。日本中に大きな話題を振りまいたボートレース界の今年の戦いは元日から始まっている。12日(木)からは、グレード戦線の幕開けとなるプレミアムGⅠ「第4回ボートレースバトルチャンピオン(BBC)トーナメント」が、ボートレースびわこ(滋賀県大津市)で15日(日)まで開催される。その一戦に出場するのが、新年にさらなる活躍が期待される福岡支部の羽野直也(27)だ。昨年は初のグランプリ出場を果たすなど、支部の新エースに名乗りを上げる勢いの若武者に意気込みなどを聞いた。

羽野直也 Hano Naoya
はの なおや 1995年3 月29日生まれ。福岡県飯塚市出身、嘉穂東高卒業。2014年5 月デビューの114期。16年7 月、芦屋で初Vを挙げると、翌17年10月に大村でGⅠ初V。平成生まれ初のGⅠ覇者になり、同年の最優秀新人にも選ばれた。22年はボートレース界最高峰の一戦であるSGグランプリに初出場。167㎝、55㎏、AB型。
厳しさ覚悟、ミスが許されない大会
アウトからでもチャンスある水面
―昨年の活躍は見事でした。
レーサー生活で一番良かった一年でした。グランプリに初めて出場でき、地元のGⅠ(3月、北九州市・若松ボート)も勝てた。その中で経験値を増やせた一年でした。大きな変化の実感はないけど、ちょっとした部分が少しずつ上積みできているのかなと思います。
―グランプリもファイナル進出にあと一歩の好走でした。
「よくできました」と言えると思います。(半数の6人は2 日間だけで敗退を余儀なくされる)1stステージからの出場で2ndに進めて、一日でも多くあの舞台を走れたのが収穫でした。
―新年への思いは。具体的な目標があれば。
新年は、少しでも成長できるように頑張るだけですが、地元の芦屋ボート(福岡県芦屋町)でSG(ファン投票で出場者が決まる5月のオールスター)が開催されるので、出場するのが目標です。
―2年連続のグランプリはどうですか。
一走一走の結果として、一歩でも近づけたら。
―その上でも、新年最初の特別戦BBCトーナメントは大事な一戦ですね。
開催時期が12月から1月に移ったことで、みんながどんなモチベーションで臨むのか、自分はどうか。1月開催の経験が全くないので、つかみ切れていませんが、自分としては、普段から心がけている「目の前の一戦に集中する」気持ちに変化はありません。これまで、この大会では結果を残したことがない(注:初出場の第2回大会は準決勝4着で敗退、第3回大会は1回戦4着で敗退)ですが、とにかく頑張れるだけ頑張りたい。
―この大会ならではの難しさはありますか。
全員がフラットな条件というわけでもなく、(1回戦で内枠が約束されている)選考順位が上位の、SGやプレミアムGⅠを勝って出場する選手が有利ですよね。今回の自分はそうではないので、厳しい戦いになると覚悟しています。それに一度の敗戦で全てが終わるので、ミスが許されないことも把握しています。
―逆に頑張れる材料は。
1着が取れなくても、3着でも勝ち上がれる点です。それに最後の決勝まで残ることができれば(1枠獲得の可能性もある)抽選で枠番が決まるので、誰にでもチャンスがあるとも言えます。
―今回のBBCトーナメントが開催されるびわこは、2020年にヤングダービーで走りましたね。水面攻略法などはありますか。
その時は準優3着で優勝戦出場に届かず、残念だったことを覚えています。
水面は、もしかしたら苦手かも。波、うねりがあって、乗りこなすのが難しい。福岡のうねりには慣れているのですが、びわこは性質が違う。モーターを出せたイメージにも乏しいし、調整面でも分かっているとは言えません。
―お手上げ?
いい記憶が一つあります。以前、地元滋賀支部の吉川昭男さんに助言をもらい、乗りやすくなったことがありました。またそのようにできたらいいですし、レースを見ていると、インばかりが勝つわけではなくて、アウトでもチャンスがある水面。びわこでうまい人は本当にうまい。自分は今のところ、その中に入っていませんが、一度、いい印象さえつけられればいける、と思っています。
―それが今回なら最高です。
ぜひその機会にしたい。4日間と短い大会なので、最初からその手応えをつかみたいですね。
ボートレースバトルチャンピオントーナメント〈略称BBCトーナメント〉とは
得点率で勝ち上がりが決まる通常の開催とは違い、1回戦、準々決勝、準決勝ともその一走の着順だけで勝ち上がりが決まるノックアウト方式。いずれも3着以内が条件。出場者は現在のボートレース界の顔が勢ぞろい。昨年のSGの9戦とプレミアムGⅠの4戦、ファン感謝3Daysボートレースバトルトーナメントの優勝者らは優先出場する。残りは1~10月のSGとプレミアムGⅠの選出上位者のうち、勝率上位から順に選出される。
BBCトーナメント展望
昨年のグレード戦線を席巻した滋賀支部勢が、新春の地元の大一番でも大いに存在感を見せる。
前回覇者の丸野一樹は連覇を目指す。昨年末のグランプリ(GP)はトライアルでF。失意の中で一年を終えたが、この地元の晴れ舞台が気を取り直すきっかけになる可能性は十分。
選出1位でGPに臨んだ馬場貴也は準優勝。支部勢初の王者には就けなかった。雪辱に燃える今年、この〝開幕戦〟を制し、今年も賞金レースを引っ張る。
昨年はクラシックを制した遠藤エミ、レディースチャンピオンを制した香川素子の女子2人も、選考上位のアドバンテージも生かして、知り尽くした地元水面で躍動する。
昨年は最高勝率のタイトルを獲得した池田浩二は変わらぬ技術の高さで今年も第一線での活躍が必至。
水面実績なら松井繁が断トツ。GⅠで5Vと地元勢をしのぐ戦歴を誇る。昨年のGPファイナリストの原田幸哉、磯部誠、片岡雅裕はいずれもGⅠ初Vがびわこだったという縁。さらには篠崎元志もびわこがGⅠ初Vの水面。復権を期す新年、思い出の地から第一歩を記す。
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