3月10日(金)~15日(水)
ボートレースびわこ GⅡ「秩父宮妃記念杯」
西山貴浩インタビュー

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 びわこボート(滋賀県大津市)のGⅡ「第66回結核予防事業協賛 秩父宮妃記念杯」が3月10~15日に開催される。昨年の同時期にあった65回大会は、地元滋賀支部の馬場貴也が優勝。最終的には初の年間MVPまで輝いた昨年の馬場の戦歴の一端を担った大会だ。一年の序盤のそんな大事な一番に、120%の意欲と元気で臨むのが西山貴浩(35)=福岡支部。かつて、GⅠ初制覇を取り逃がした水面で、雪辱のVを目指す。

西山貴浩

びわこのあの一戦が今の僕をつくった
地元感たっぷりの大好き水面
狙うはもちろんV

―1月のプレミアムG1にも参戦したびわこを再び走ります。

 「びわこは本当に好きなレース場。水面も好きだけど、関係者の人たちが温かいんですよ。僕がレースに行くと『おかえり』って言ってくれるんです。だから、僕も素直に『ただいま』って返せる。地元じゃないのにアウェー感がない。僕の先祖はびわこの人だったのかな。帰ってきたぞと思えるホームプールです」

―びわこのレースでの一番の思い出は?

 「G1初Vが懸かっていた(2020年8月の)68周年ですね。(相当に有利な)優勝戦1号艇で3着に負けたレースです。陸の上から(地元滋賀支部の)守田俊介さんにいろいろアドバイスしてもらったけど、今思えばあれがワナだった(笑)。それは冗談として、レース後に(親交の深い)池田浩二さん(SG10Vを誇る超一流レーサー)がわざわざ愛知からびわこの近くまで来て、僕を待っていてくれたんですよ。負けて本当に悔しかったけど、そこで激励してもらえた。あの経験があるから、そのすぐ後の徳山(9月、ダイヤモンドカップ)でG1を勝てた。レーサー人生の中で大きなきっかけになった水面です」

―滋賀支部の選手とも親交は深いのですか?

 「吉川昭男さんは飲み仲間。生まれた時から酒焼けしているみたいなクセのある声の吉川さんですが、人間性は本当にクセがなくていい方。いつも楽しく過ごさせてくれます。池田(浩二)さんもそうだけど、僕は人に恵まれている。心の底からそう思います」

―レースでの手応えについては、昨年から今年にかけてはいかがですか?

 「24時間365日、いつでも絶好調! と、思っていますけど、何も結果を残せていないのが現状ですね。特に昨年は自分の中でも停滞したなと思っています。調整力がなくて、抽選で悪いエンジンを引いたら立て直せなかった。本当に強い人は、悪いエンジンでもある程度は出せるものですから」

―脱却できそうですか?

 「昨年の途中からは今年のための時間にしようと決めて、ペラ調整を一から勉強し直しました。それから思い切った調整をやるようにして、12月の下関周年あたりから、エンジンは結構出ている。光が差してきた感じはしています」

―勉強の先生役はいたのですか?

 「飲み仲間の石野貴之さんから、石野さんの伸び型のペラを徹底して勉強しました。僕の場合、そういう機会を設ける調整力はバッチリなので(笑)。でも僕は元々が出足型の形を主に使っていたから、伸び型を使いこなせるようになるにはものすごく時間がかかった。本当に一年を費やしました」

―差し込んだ明るい光はその努力の成果ですね。

 「伸び型の形に、元々の自分の形も取り入れて〝いいとこ取り〟をしたら、行き足や伸びに加えて、ターンのグリップも上向かせることができるようになった。苦しんだ分、神様は僕を見捨てなかったみたいです」

―オールスターのファン投票の中間発表は2位で、トップ池田浩二とはわずか26票差でした。結果はなかなか出せなくても、ファンも見捨てていませんね。

 「本当に心の底からありがたい。今はどこに行っても声をかけてもらえる。この前なんか家族でディズニーランドに行ったら、横にミッキーマウスがいるのに、全く知らないおじさんや若いカップルが声をかけてくれて、ミッキーを差し置いて、僕に写真の列ができたんですよ。ミッキーよりも人気があるのが分かってうれしかった(笑)。それだけボートレースが認知されてきたのかなという、うれしさもありますね」

―今回の秩父宮妃記念杯への励みにもなりますね。

 「選手になって良かったと今が一番思えているし、ここからをレーサーとしての充実期にしていきたい。昨年は悔しい思いをした分、今年は結果にこだわりたいですね。身に付いた今のペラ調整力で攻撃的なレースを見せたい。それと、びわこは好きな水面なのに、まだ優勝できていない。1号艇で負けたあの68周年の悔しさも晴らしたいし、地元のつもりで優勝を狙いに行きます。こうやって取り上げてもらっているんだから、やりますよ。見ていてください!」

開催告知CM

企画・制作/西日本新聞社メディアビジネス局

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