【福岡ボート（サマータイム）一般】白井友晴　昔取ったきねづか

　初日最大のインパクトだった。白井友晴（52）＝埼玉＝はオープニングの企画戦、カタメン1Rで4コースからまくり差して下克上の勝利を果たすと、後半8Rも4カドからまくって攻める豪快なレースぶり。結果は田路朋史に差されて2着だったが、〝負けてなお強し〟の内容だった。

　機力は誰もが一目置くほどの超抜パワー。前節の中間整備から化けた相棒26号機は、早くもトップギアに入っている。「Sしてから明らかに出ていきますね。スリットの足や伸びはかなりいい」。プロペラを仕上げた前操者の服部幸男にも最敬礼で、「このまま行くつもり」と強力な伸び仕様を受け継ぐ覚悟だ。

　現在は自在派だが、20代後半ぐらいまではダッシュ一本の進入を貫いてA1勝率を稼いでいた〝超〟個性派。実は伸び型にしての一撃スタイルはお手の物だ。「最近の中でも一番伸びているし、記憶にないぐらい。もうずっとやっていなかったんですけど、やっぱり伸びてまくるのは楽しいですね」

　枠なり進入全盛の時代になり、ダッシュ一本のまくり屋スタイルは封印したが、体はしっかり覚えている。「体の節々が痛い年齢になってしまいましたけどね（笑）。でも、今節はこのまま伸び型で、昔を思い出して頑張ってみます」。元来の得意技の威力に衰えは見られない。昔取ったきねづかで、今節は〝まくり旋風〟を巻き起こす。（森　大輔）