【大村ボート(ナイター)GⅠ周年記念】毒島誠がナイターキングの意地と底力を披露

大村ボートで熱戦を展開した2022年度最後の特別戦、G1開設70周年記念「海の王者決定戦」は最終日の31日、12Rで優勝戦を争い、1号艇の毒島誠(39)=群馬=がイン逃げで完勝。G1通算16度目のVを挙げた。大村では19年のSGメモリアルのVがあるが、周年は初制覇。今年はG1多摩川周年を含めて早くも4度目、通算では72回目の優勝。2着は2号艇の岡崎恭裕、3着は4号艇の池田浩二で、3連単は1番人気の決着。6日間の売上額は98億962万円(目標額100億円)だった。
■ヒーロー■
ナイターキングが意地と底力を存分に見せた。2019年の大村メモリアルのVを含め、ナイターSGで数々の戦歴を誇る毒島誠が、人気に応えて完勝劇。昨年末の大村グランプリシリーズは同じ1号艇で2着。SG初Vを挙げた宮地元輝に屈したが、わずか3カ月後のG1で、あっさり雪辱を果たしてみせた。
準優はあわやFのタッチS。それでも「問題ないです」。最終日、レース間特訓の後も「乗った感じは5日目と変わっていない。大丈夫です」。どこまでも頼もしい姿勢を崩さない自信が、優勝戦の結果にそのまま表れた。インから先マイを決めると、誰にも迫らせない圧勝劇。事故が厳禁の優勝戦で平然とゼロ台まで踏み込み、「準優で早い景色を見ているので」。タッチS直後で余計な神経を使うどころか、それよりも遅ければ大丈夫とばかりに、むしろプラスに転換。これが超一流の強さの神髄だ。
今年早くも2度目のG1優勝を手にするなど既に4V。「やっていることが少しずつ形になっているのかな」と手応えを口にする。この優勝で賞金1000万円を加算して、先日のクラシックの優勝でトップを走る同支部の土屋智則を2位で追いかける。昨年は滋賀支部が話題を振りまいたボートレース界。今年は群馬支部がトレンドになりそうだ。(深堀慎一郎)