ボートレース

【蒲郡ボート(ナイター)GⅠ周年記念】峰竜太 特別インタビュー/ダービーVの恩返しのVへ/8日開幕

 ボートレース蒲郡(愛知県蒲郡市)のGⅠ開設69周年記念「オールジャパン竹島特別」が8日、幕を開ける。地元愛知勢が、昨年末のグランプリ優出トリオの池田浩二、平本真之、磯部誠をはじめ総勢10人体制で、地元タイトル流出阻止へと奮闘を見せるが、他支部勢も相当に強力な豪華布陣。中でも、愛知勢を差し置いて話題を独占する可能性もあるのが峰竜太(39)=佐賀=だ。昨秋、蒲郡で開かれたSGダービーで、通算100Vと全24場制覇を同時に達成。無類のスター性を存分に披露したボートレース界のエースが、今の仕事への取り組み方、新たに見えた境地、蒲郡への熱い思いなどをたっぷりと語ってくれた。

◆峰竜太(みね・りゅうた)
 1985年3月30日生まれの39歳。佐賀県唐津市出身。唐津西高卒業。登録番号4320。2004年11月にデビューの95期。05年11月にからつで初優勝。GⅠは09年2月、芦屋の九州地区選で初Vを挙げ、64優出19V。SGは17年7月のまるがめオーシャンカップで初制覇し、28優出6V。一般戦も含めた全成績は264優出102V。20年には史上初めて、MVP、記者大賞など年間タイトル5部門を総なめにした。23年は8度目の最高勝率のタイトルを受賞。173センチ、51キロ、B型。

昨秋、蒲郡ダービーで全24場制覇&通算100V

 ——昨秋のダービーで劇的なVを挙げた蒲郡に今度はGⅠで出場です。

 「ダービーの優勝で思い入れがいっそう強まった水面ですから、強い気持ちで優勝を狙いますよ」

 ——ダービー後の今年4月には一般戦でも蒲郡を走りました。

 「初日からずっと入場者がものすごく多くて、周りにも『みんなが峰を見に来ている』と言われました。ダービーの優勝が記憶に新しいこともあったんだろうけど、自分にこれだけ人を集める力があるんだなと感激しました」

 ——それほどにダービーの優勝は衝撃的でした。ペナルティー期間を経てのSGの復帰戦。蒲郡では初めてのVで全24場制覇を達成し、しかもちょうど100Vの区切りまで同時に達成。

 「今だから言えますけど、それまでのボートレース人生は、全てはこのためのドラマの筋書きだったのではないかと思っています。蒲郡は得意だし好きな水面。記念でも何度も優勝戦に進んでいるし、SGで1号艇で優出(9年前のメモリアル。篠崎元志に競り負けた)したこともある。それなのになぜか優勝できなかった理由は、この結果が待っていたからなんだなって思えました」

“下り坂”を実感も「まだやれる」

 ——悔しさに大号泣のメモリアルの敗戦でしたが、前向きに話せて何よりです。今年の足取りも前向きに捉えていますか?

 「いい形で進んでいると思っています。正月早々、Fはしたけど、記念の優勝が2回。まだ力は落ちていないなと思えています」

 ——はたからは衰えは全く見えず、相変わらず強いという印象しかないです。

 「僕も39歳。さすがにこの年齢になると、落ちていくものです。今年はグランプリに行けるんだろうか、SGを勝つ力はまだあるんだろうかと、どうしても頭をよぎります。でもまだやれそうですね」

オンオフくっきりでひらめきアップ

 ——強い選手はオフ時間をどう過ごしているのでしょう?

 「家族との時間と趣味のサーフィンに使っています。レースとは完全に切り離して、トレーニングもしていません。そうすることで気付いたのは、いざ仕事でスイッチを入れたときに、その『オン』の状態が濃くなって、頭がしっかり働く。新しいものを取り入れようという冒険心やひらめきも生まれやすいということです。出走中も、宿舎でレースのことを考えるのはやめるようにしています」

 ——考える時間は多ければ多いほど、プラスに働きそうなものですが。

 「ひらめきのためにそれは無用です。深く考えると無難な考えに落ち着いてしまう。年を取ると考えが固まって、今までやってきたことの延長で進めようとする。それに、あすの気候がどうなるかも分からないのに、レース後すぐにペラ調整をしたり、宿舎で調整を考えたりしても、想像でするだけになってしまって、本当のひらめきは生まれません」

「体験でなく耳で覚えても価値は1割」

弟子の定松勇樹と歩く峰竜太

 ——弟子や後輩たちにもそのような内容を事細かに教えているのですか?

 「技術を伝承していきたいとは思いますが、自らの経験として学んでほしいので、口では言いません。耳で覚えたことはすぐに忘れるし、体験して覚えたことの1割程度しか身にならない。答えを先に聞くのではなく、僕を見て、盗んでほしいですね」

 ——素晴らしい人生訓の一つ一つに、今回の蒲郡周年で聞ける言葉も楽しみでなりません。

 「優勝すればまたファンが湧くのは間違いない。ダービーのVだけで忘れられたくないし、あのときに自分も過去で一番の感動をもらったので、その恩返しがしたい。優勝することが蒲郡への還元になるなら最高です」

  • Twitter
  • Facebook
  • Hatena

関連ニュース

  • Twitter
  • Facebook
  • Hatena