ボートレース

【尼崎ボート・SGグラチャン】土屋智則がSG2度目V/リップサービス実った!/トップSから完勝劇

トロフィーを手にガッツポーズの土屋智則

 尼崎ボートのSG「第34回グランドチャンピオン」は最終日の30日、12Rで優勝戦(1着賞金3600万円)が争われ、1号艇の土屋智則(39)=群馬=がイン逃げを決めて優勝。昨年3月のクラシック以来2度目のSGVを果たした。2着は2号艇の宮地元輝、3着は4号艇の池田浩二。3連単は1140円の1番人気で決着した。6日間の売上額は160億3332万7400円で目標額(145億円)を大幅に上回る大盛況だった。

仲間に祝福される土屋智則(中央)。左は同じ群馬支部の関浩哉、右上は同期の西山貴浩、右下は群馬支部の毒島誠

■ヒーロー
 口下手な照れ屋さんが精いっぱいのリップサービスを現実のものにした。優勝戦1号艇だった土屋智則は、優勝戦当日に場内であった優出インタビューで「(優勝するには)インから逃げるだけ。Sはハナを切ります!」と宣言。すると、優勝戦はコンマ13と本当にトップタイミング。「Sして余裕があったので完璧なターンができた」。誰に詰め寄らせることもなく、あっさりと決着をつけた。

 S展示が想定外で「行くと言ったのに遅れた(コンマ24)。それで緊張した」。とはいえ、本番で見せた度胸と集中力はさすが。「(初Vだった昨年の)クラシックよりも落ち着いて臨めた」。積んだ経験値も2度目のVを後押しした。

 4日目にセット(シリンダー、ピストン、リング)交換に踏み切ったのが大きな転換点。「それで全体的に良くなった。4日目の朝、同じ得点率の稲田浩二さんが交換をお願いしていて、自分も換えないといけないと思った」。その積極姿勢が、予選2位という結果にもつながり、優出1枠も呼び込むことになった。

 これで2年連続のグランプリ入りも有力。しかし、昨年とは心理状況が全く違うという。「今振り返ると、昨年はSGを勝った後に守りに入ってしまった」。その流れで臨んだ年末のグランプリ1stステージは6、6着の大惨敗。「つらさしかなかった」

「残りのSGは全部勝つ」
 その雪辱へ、ここからは攻めの姿勢を貫く。「今年の残りのSGは全部勝って、賞金1位でグランプリに行くつもり」とここでも最大限のリップサービス。「同期の西山貴浩君に『つまらないから面白いことを言え』と言われていて…。しゃべりが苦手ですみません」

 同期に促されたとはいえ、今節のコメントの一つ一つが盛り上がりに一役買ったのは事実で、売上額は目標をはるかにオーバー。しゃべりが大得意の同期とともに、今年の後半戦でも主役を務める。(深堀慎一郎)

BBCトーナメントのエントリーフラッグを持つ土屋智則

■プロフィル
 ◆土屋智則(つちや・とものり)1985年2月6日生まれ。群馬県伊勢崎市出身。伊勢崎商高卒業。登録番号4362。2005年11月にデビューの97期。09年1月にとこなめで初V。GⅠは17年6月の江戸川周年で初制覇を果たし10優出2V。SGは23年3月の平和島クラシックで初Vを挙げ、今回で4優出2V。亡くなった父・栄三さんは元オートレーサー、姉・千明はボートレーサー。164センチ、55キロ、B型。

ファンのリクエストで“顔ハート”のポーズを取る土屋智則

■戦い終わって
 池田浩二(3着)Sは展示で決まらなかったので早仕掛けしてアジャストばかり。行き足がこなかった分、置いていかれたし、足は並だった。
 平本真之(4着)少し合っていなかったし、急に風がやんでSも行けなかった。難しい一日だった。Sも横一線では6コースは厳しい。勝った土屋君がお見事だった。
 上條暢嵩(5着)セット交換は考えずに勝負しようと思っていた。正直、セット交換の人とは足の差があったかもしれないが、ここまで頑張れたし、また次のSGでも頑張る。
 西村拓也(6着)回転が上がりやすい気象条件の方が伸びは良かったが、優勝戦は上がりにくい条件で厳しかった。1Mも宮地選手がうまかった。

宮地元輝は悔しい準V
 常に一戦必勝を自らに課す宮地元輝は、2号艇での準Vの結果にも及第点を与えることはなかった。「一生懸命やったつもりだったんですけどね。2着分の仕事しかできませんでした。満足のいく仕上がりではなかった」と、優勝まで届かなかった原因を自らの調整力不足に求めた。スリットも16と、優勝したイン土屋智則の13には及ばず、「行き切れなかった」と無念の一言。ただ、前回のSGの多摩川オールスターは、同じ優出2号艇で全く見せ場なく6着だったが、今回は十分に好内容の走りを見せた。

優勝戦の1周2Mを先頭で回る土屋智則
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