【大村ボート(ナイター)SGオーシャンC】羽野直也インタビュー/自信を持って連覇に挑戦/7月23日開幕
ボートレース発祥の地であるボートレース大村(長崎県大村市)で23日から、SG「第29回オーシャンカップ」が開かれる。ナイターで争う28日までの6日間開催。1年間のGⅠ・GⅡの優出ポイント上位52人に出場権が与えられ、今年も特別戦線の主力陣が顔をそろえた。その一戦に連覇を目指して参戦するのが羽野直也(29)=福岡=だ。昨年の第28回大会を制してSG初Vを達成。優勝戦の3連単の配当は10万円超えという歴史的な勝利から1年。再び頂点を見据える羽野に意気込みを聞いた。
◆羽野直也(はの・なおや)
1995年3月29日生まれの29歳。福岡県飯塚市出身。嘉穂東高卒業。登録番号4831。2014年5月にデビューの114期。16年7月、芦屋(福岡県)で初Vを挙げると、翌17年10月に大村(長崎県)でGI初V。平成生まれ初のGI覇者になり、同年の最優秀新人にも選ばれた。22年はボートレース界最高峰の一戦であるSGグランプリ(長崎県・大村で開催)に初出場。SGは通算3優出1V、GⅠは18優出4V。一般戦も含めた通算は79優出23V。167センチ、55キロ、AB型。
■周囲への思いが好結果生む
――早いもので、SG初制覇からちょうど1年。どう振り返りますか。
「優勝できたのは本当に光栄なこと。レースはずっと続くので、勝てたことにとらわれすぎず、変わらずコンスタントに仕事をするのが大事だとは思っていますが、優勝できたおかげで、より多くのファンに自分を認知してもらえるようになったと感じています」
――周りの多くの喜びが自分の喜び?
「自分のために頑張ると言っても、特段の物欲もないので、それだと(頑張る方向性が)よく分からなくなってきてしまう。それよりも、周りのためにという気持ちが強ければ強いほど、結果につながると思います」
■「苦戦も無意味ではなかった」
――優勝したことで自分の中での変化はありますか?
「自分の取り組み方でもSGで結果を出せるんだなと気付けたのは大きいですね。それまで、優勝戦どころか準優にもほとんど進出できていなかった(SGに初出場してからの5年半で優勝戦進出はそれまで2回だけ)ので、その状態が続くなら、大幅に何かを変えなくてはいけないところでした。でも結果を出せたことで、これまでの自分が無意味でなかったことを示せた。優勝するためのアプローチはいろいろあるわけですが、自分の仕事の仕方もその一つだったんだなと思えるようになりました」
――論理的に細やかに仕事を進める印象です。
「完璧主義者ではないけど、準備を怠ったら気持ちが劣勢に回ってしまうので、そこに関しては常に先行していたい、というのはあります。流すように仕事をするのは好きではないですし。でも、息を詰めてするばかりではない方がいい部分もある。そのあたりが難しいなと感じています」
■ただいま混迷中!?
――今年の現状はいかがですか。
「活躍できていない。大きな原因はプロペラですね。方向性がつかめていないというのは確かにある。昨年の今頃は、エンジンをすごく出せていましたから」
――昨年のオーシャンカップの直前には「最高の夏にできそう」とも話してくれました。
「ペラをこう叩けばエンジンは出る、出なければ原因はエンジン、と判断できて整備に移れた。その点で今は、やるべきなのがペラ調整なのかエンジンの整備なのか、迷ってしまっている。でもそれも、いい経験をさせてもらっていると思っています。仕上がるタイミングが遅くても、最終的に出せていることも結構あるので、あとはきっかけ一つ。一度正解をつかめれば、また活躍できそうです」
■「不意に輝けるのが大村」
――縁がある大村なら、転換点になる可能性は大きいかもしれません。
「大村は不意に自分が輝ける場所なので、今は不調の今回も不意に輝けたらいいですね」
――大村では2017年10月に周年記念を制して、平成生まれ初のGⅠ覇者になりました。ただ素質を思えば、不意でもなかったのでは?
「いえいえ。初めてGⅠを走ったのがその年の6月で、GⅠを走るのは4節目(うち1節は途中追加なので実質3節目)でいきなり優勝できたのですから、不意だと思います」
――業界最高峰のSGである年末のグランプリに初出場したのも22年の大村でした。
「ファイナル進出にはあと一歩でしたけど、SGを勝てたのはその次の年ですし、あのグランプリでいい経験をさせてもらえました」
■スピード水面に好印象
――大村水面には元々、好印象ですか。
「水面が広いので、ものすごく乗りやすいです。広い分、ダッシュのときのスタートの難しさはあるけど、ターンスピードが生きるタイプの水面だと思っているので、その点がいいイメージですね」
――連覇への意気込みを聞かせてください。
「ディフェンディングチャンピオンなので自信を持って臨みたい。初めての立場にも気負いすぎず、といって守りには入らずに、攻めていきたいですね」