【大村ボート（ナイター）SGオーシャンC】吉田拡郎　準優勝負駆けへ細い糸をたぐり寄せる

〈記者コラム・小野亮太郎　恐れオノのく高配当〉
　記者席で仕事をしていると、視界のすみにふわりと何かが飛んでいた。よくよく見ると、体長3ミリほどの小さなクモ。空中を飛んでいたのではなく、細い糸をたどってやってきたようで、デスクの上に巣を作ろうとしている。何となく払いのけるのが気の毒で、しばらく観察していた。

　あちこち行ったり来たりしながら、せっせと糸を出して巣を張ろうとしている。エアコンの風に飛ばされそうになりつつもしばらく頑張っていたが、あきらめたのかどこかに行ってしまった。バタバタとせわしない記者席の中で、いつ壊されるとも分からない巣を作るよりはいいかもしれない。どこか静かな場所で立派なすみかを構えていてほしいと思った。

　▼10R　クモは「糸をつなぐ」ことから縁起のいい虫ともされている。ドリーム組の吉田拡郎は6枠から3着条件の勝負駆け。細い糸をたぐり寄せて準優入りを決めてみせる。12－6－全。