ボートレース

【大村ボート(ナイター)SGオーシャンC】茅原悠紀が10年ぶり2度目のSG制覇に感涙

表彰式で喜びを爆発させる茅原悠紀

 大村ボートのSG「第29回オーシャンカップ」(優勝賞金3600万円)は最終日の28日、12Rで優勝戦を争い、4号艇の茅原悠紀(37)=岡山=が、1周BSの接戦状態から1周2Mで差して抜け出しV。SG2度目、通算では56回目のVを挙げた。人気の軸だった1号艇の山口剛は2着、3着は5号艇の椎名豊で、3連単は4510円の18番人気。6日間の総売上額は177億6821万7100円(目標額180億円)だった。

優勝した茅原悠紀(中央)をたたえる、同支部の藤原啓史朗(左)と吉田拡郎(右)

■ヒーロー
 昨年、史上最多の6回もの優出を重ねても届かなかったSGの頂点に、茅原悠紀が今年SG初優出であっさり到達した。大外から制した平和島グランプリでのSG初制覇は2014年のこと。「10年間取れなくて、本当に2回目が遠かった。何で取れないんだろうとずっと思っていたので、本当に良かった」。ヘルメットを脱ぐと瞳はうるうる。「自分が一番喜んでいるみたい」。初制覇とは違い、苦労を乗り越えて味わううれしさに、こみ上げるものを抑えられなかった。

 準優で0.5度だったチルトを、人生初のチルト1度にハネたセッティングがぴたりとハマった。「1.5度も2度も3度もしたことはあるけど、1度は初めて。特訓と試運転で出足も伸びも良かったし、1(着)を取るなら、験かつぎでチルトも1がいいかなと思った」

 その1度の効果でスリットからぐいっと伸ばしてまくり先制。ただ、イン山口剛も必死の抵抗で「引き波にハマらずに残した剛さんはさすがでした」。BSは山口との並走で自身は外側。決して有利な態勢ではなかったが、まくり差して山口の内に迫った椎名豊が何よりの援軍になった。2Mで山口と椎名で競り合ったところを一気に差し切ってV。「レーサーを18年もやっていますから、さすがにあの展開は差せる。決まり手は〝椎名君〟でしたね」と笑った。

 大会前に19位だった賞金順位はこれで一気に3位まで浮上。「下半期でどれだけやれるか。実験ですね」。昨年は「今年はグランプリを取る」と公言して序盤から突っ走ったが実現ならず。違った道順で今年こそ頂点をつかむのか。自らの力を試す半年間が今スタートした。(深堀慎一郎)

矢吹奈子から花束をもらう優勝した茅原悠紀(右)

■プロフィル
 ◆茅原悠紀(かやはら・ゆうき)1987年7月11日生まれ。岡山市出身。東岡山工高中退。登録番号4418。2006年11月デビューの99期。09年12月に宮島で初V。GⅠは12年9月に徳山の新鋭王座決定戦で初Vを挙げ、通算41優出10V。SGは14年12月の平和島グランプリで初制覇し、今回のVで19優出2V。昨年はSG年間6優出の新記録を打ち立てた。171センチ、56キロ、A型。

表彰式でファンの祝福に応える茅原悠紀

■戦い終わって
 山口 剛(2着)持ったと思ったが完敗。BSは椎名君も半艇身差で内にいたので、先に行かせて差しても(優勝は)駄目だったと思う。やれることはやれた。
 椎名 豊(3着)出足がもうちょっと欲しかった。もう少しエンジンを出せないと勝てないですね。
 磯部 誠(4着)完璧ではなかったが、許せるぐらいの状態では行けた。4、5番(茅原、椎名)には分が悪かったが、自分らしい調整はできたと思う。
 齊藤 仁(5着)スタートをもう少し行きたかった。でも自分のできることはできたと思うし、仕上がりも良かった。
 菊地孝平(6着)仕上がりは悪くなかった。それより茅原選手が素晴らしかった。

優勝戦の2周2Mを先頭で回る茅原悠紀
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