【びわこボート・西スポ杯】安河内将インタビュー「手順を踏み、勝つべくして勝つ!」/8月1日開幕
ボートレースびわこ(滋賀県大津市)で「第8回西日本スポーツ杯」が8月1~6日に開催される。主力を形成するA1勢は、6月の尼崎SGグランドチャンピオンを制した土屋智則(39)=群馬=をはじめ8人。そのうち、紙面発行時の西スポのエリアだった九州・山口勢は、尼崎グラチャンに出場した山田康二(36)と、2期ぶりにA1復帰を果たした安河内将(34)の佐賀支部の2人があっせんされた。特に安河内にとってびわこは、2019年の67周年記念「びわこ大賞」でフル世代GⅠでは初の優出を果たした思い出深い水面。びわこの戦いの記憶や今回の西スポ杯への意気込みを聞いた。
◆安河内将(やすこうち・しょう)
1989年10月27日生まれ。佐賀県唐津市出身。小城高-國學院大卒業。登録番号4734。高校では野球部で遊撃手として活躍し、センバツ甲子園出場。スポーツ推薦で養成所に入所し、111期の養成所チャンプに輝いた。2012年11月に多摩川でデビュー。翌年1月に平和島で初勝利。デビュー時は東京支部で、16年1月に故郷の佐賀支部へ移籍。18年、浜名湖ヤングダービーでGⅠ初優出(3着)。20年7月に鳴門オーシャンカップでSGに初出場した。通算58優出9V。うちGⅠは優出3回でVはまだない。167センチ、52キロ、B型。弟・健(122期)との兄弟レーサー。
■7月にA1復帰
――2024年前期(1~6月)はA2級に降格でしたが、後期(7~12月)は順当にA1級復帰です。
「級別は違ってもやることは一緒。目の前の一走一走を大事に走ることは常に心がけています。ただ、A2だと(点数優遇の)ドリーム戦に選ばれることがないので、トップ通過を目指すという点では苦しかった。そのあたりは、A1に戻れたことで戦いの進め方も変わる部分だというのは、意識しておきたいですね」
――その苦しいA2の間も優出を重ねて、今年は6優出1V(取材後の7月26日に若松で優勝し7優出2V)。優勝戦の着外は1度だけと舟券の貢献度は高いです。
「でも、勝ち切れていないな、というのが選手サイドとしての正直な気持ちです。今年、優勝戦1号艇は一度もないわけで(※取材後の7月26日のVは1号艇)、自分のミスや詰めの甘さがなければ、予選トップも取れていたはず。そうなれば優出できたというだけでは終わっていないと思うので、その点での反省があります」
■記憶に強く残る67周年記念の敗戦
――ならば、この西スポ杯を反攻のきっかけにしたい。しかもびわこは、2019年8月のGⅠ開設67周年記念で優出の実績があります。
「はっきり覚えていますよ。その前の年の浜名湖ヤングダービー(優出3着)以来のGⅠ優出で2号艇でしたよね。エンジンが結構出ていて、1号艇の長田頼宗さんにもだいぶ警戒されていました」
――結果は残念ながら6着でした。
「まくれないなと思ってレバーを落とした瞬間に、3コースの丸野一樹さんの全速ツケマイが決まった。自分も優勝のチャンスは十分あると思っていたレースだったんですが・・・」
――それでも、その優出のポイントが効いて、翌年のオーシャンカップでSG初出場を果たしました。
「報道陣にポイント状況も教わりながら、そのことも意識して走っていました。あのびわこ周年をきっかけにSGを経験させてもらえて、よかったなと思っています」
■佐賀と滋賀は深い関係性!?
――地元のからつとびわこは同じ淡水ですが元々、得意な水面ですか?
「水面に対する印象は、からつとはちょっと違います。うねりもありますしね。でも、うねりがあるからといって、乗りにくいという印象もない。嫌なイメージがないです」
――佐賀と滋賀は1字違いの間柄。びわこボートでは佐賀県とコラボした開催もあります。
「『さがけいば杯』を開催してくれていますよね。佐賀支部には佐賀競馬ファンも多いんですよ。うれしく思っています」
――佐賀支部勢は伸び伸びとびわこを走れるのか、後輩の定松勇樹選手も今年5月、優勝を飾りました。
「チルトを1.5度にハネて5コースから一撃でしたよね。ハネるとスタートも難しいんですが、それでも優勝のためのワンチャンスに懸けて、それをものにした。すごいことですよ」
――しかも定松選手は、そのびわこの直後のオールスターでSG初Vまで達成。
「来たチャンスを一発でつかみ取った。素晴らしいです。それで焦っているわけではないけど、自分もタイトルを取りたいと思っています。そのチャンスが来たときのための準備だけはしっかりしておこうと、心に留めています」
■クラシック出場権を目指す
――その意気込みの中、今年後半はどのあたりに視線を定めますか。
「やっぱりSG出場、クラシック出場かな。(4年前の)オーシャンカップは出場しただけになってしまったが、あのときと今ではメンタルも大きく違うし、今はもう一度ちゃんとSGを走りたいという気持ちも強いです。クラシックには優勝回数が必要なので、勝つべきところで勝てる勝負強さを見せたいですね」
――今年もまだ中盤なので、このあたりでV数を上積みできれば出場切符は着実に見えてきます。
「勝つには勝つためのプロセスがあると思っているので、そのための中身の部分を今、大事に戦っています。ドラマのストーリーとして結末にひも付けられるような内容が伴った走りをして、自分のキャリアアップ、レベルアップにもつなげていきたいです」