ボートレース

【芦屋ボート・GⅠ周年記念】高倉和士 強い覚悟で駆け抜ける

レース終了後に本体整備に着手した高倉和士

 窮地に立たされた。高倉和士(33)=福岡=は1回走りだった2日目4Rで4コースから5着。初日の2走も5、2着と出入りの激しい成績だったこともあり、3日目は早くも一日早い勝負駆けに追い込まれてしまった。

 もちろん、このまま指をくわえて見ているつもりはない。機力は「誰とやっても伸びで弱い。出足や回り足も伸びよりはマシという程度」と序盤からイマイチだったことで、本体整備を決断。「セット交換をさせてもらいました。これで変わってくれれば」。諦めるつもりは毛頭ない。

 7月末が選考締め切りだった10月のSGダービー(戸田)は選考順位41位で出場権を獲得。悲願のSGレーサーとなったことも、今節に懸ける思いを強くしている。「今節はGⅠの単独開催でメンバーもいいので、ダービーのいい試金石になると思う。整備もレースも粘って食らいついていきたい」

 132期生の土井歩夢を弟子に持ったことも大きなプラスの要素。師匠としてぶざまな姿は見せられないからだ。「いずれは自分を抜いてほしいけど、自分が抜かれないように頑張れば彼のレベルも高くなる。切磋琢磨(せっさたくま)していきたい」。地元のGⅠなら、なおさらかっこいい姿を見せなければならない。「GⅠを走る時はいつも最初で最後の思いで走ります」。悲願にたどり着いた男が、強い覚悟を持って地元のGⅠを駆け抜ける。(森 大輔)
 

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