【芦屋ボート・GⅠ周年記念】丸野一樹 最高のバースデーへ
見事な勝ち上がりだった。4日目9R、予選最終走を1着条件で迎えた丸野一樹(32)=滋賀=は、4カドから早いSでプレッシャーをかけて代名詞のまくり差しを一閃(いっせん)。「展開がハマりましたね」と謙遜するが切れ味抜群の必殺技を繰り出してノルマをクリアしてみせた。
機力も成績通りに上昇ムード。相棒の1号機は好素性機ながらここまで能力を引き出せずにいたが、前半5Rに施したリング交換が大正解。「トルクが出てターンが自分好みの体感になった」。生命線の回り足が向上した上に、行き足まで良化。「やっと本体の良さを引き出せてきた」。第二関門突破へ準備は整った。
芦屋とは浅からぬ因縁がある。通算6回のGⅠV歴があるが、そのうち4回は2021年7月以前。この時に芦屋で開催されたオーシャンカップで負った左手の大ケガが成績の鈍化を招いているからだ。「まだ少し後遺症はあるけど、体はもう大丈夫。あのケガで芦屋にはどうしても悪いイメージがあるので、何とか今回で払拭したい」
くしくも準優が行われる5日は自らのバースデー。何かを変えるには最高の一日でもある。「だから何としても準優に乗りたかった。芦屋の外枠はチャンスがあるイメージ。自分で自分を祝って、自分を変えるいいきっかけにしたい」。予選最終走はまだまだプロローグ。最高のエンディングへ、さらなる激走を誓う。(森 大輔)