ボートレース

【福岡ボート・PGⅠレディースC】渡邉優美インタビュー「この水面での1番は誰にも譲れない」/7日開幕

 ボートレース福岡(福岡市中央区)のプレミアムGI「第38回レディースチャンピオン」(優勝賞金1300万円)が、8月7日から12日まで開催される。強豪女子レーサー52人による真夏の祭典。前回覇者の遠藤エミをはじめ、選考勝率1位の浜田亜理沙や、歴代覇者に名を連ねる平山智加、寺田千恵など強力な遠征陣だが、迎え撃つ地元福岡支部も、女子GIで優勝歴がある川野芽唯ら6人による強力布陣。その6人の中でただ一人、初日12Rドリーム戦に名を連ねた渡邉優美(31)に、今大会への熱い思いを語ってもらった。

◆渡邉優美(わたなべ・ゆみ)
 1992年9月19日生まれ。福岡市出身。平尾中卒。登録番号4590。中学卒業後、進学せずにボートレーサー養成所に105期生として入所。2009年11月に17才でデビューした。16年1月に大村で初優勝。今年2月のびわこGIIレディースオールスターで特別戦初タイトルを手にした。レディースチャンピオンでは21、23年に優出し、いずれも3着。通算74優出15V。昨年5月の芦屋オールスターでSGデビューを飾り、直前の大村オーシャンカップまで計4節に参戦。同期は菅章哉、佐藤翼、磯部誠、塩田北斗ら。161センチ、49キロ、B型。

■準備万端、“やれる”状態

 ――地元の福岡でのレディースチャンピオンの開催が決まってから、ほぼ一年。どのように備えた一年ですか?

 「開催が決まった時は勝率1位で出場権を取って、ドリーム戦に1号艇で乗って優勝したいと思いました。ただ、その後はSGやGIで苦戦して勝率を落としてしまって・・・。何とかドリームに5枠で滑り込めた感じです。でも、それが今の自分の実力ですね。開催が近づいてきてからは、トレーニングもばっちりだし、練習や体の管理など必要なことは全てやってきました。“やれる”状態です」

 ――福岡への強いこだわりはなぜですか?

 「博多(ボートレース福岡)が一番好きなレース場だから。それに尽きます。雰囲気、水面、景色と、その全てが大好き。うねりとも仲良しです。少し前に大げんかをしたけど、仲直りして大親友になった。けんかするほど仲がいいって言いますから。ゆくゆくは“博多のエースは渡邉優美”と思ってもらえるようになりたい。自分は17歳でこの世界に入って、日高逸子さんを筆頭に強い先輩たちの背中をずっと見てきました。本当にいい環境にいられたと思うし、エースになれたら、育ててくれた福岡や先輩たちへの恩返しにもなると思う」

■GIIの次はGIタイトル

 ――今年2月にGIIレディースオールスター(びわこ)で優勝。特別戦を勝ったことで意識は変わりましたか?

 「大会中は目の前の一走に集中していたし、優勝してもタイトルが取れたという実感はすぐには湧かなかった。でも自分が思っていた以上に周りの人たちがおめでとうと言ってくれて、ようやく実感できました。そして今度はGIのタイトルを取りたいという意識が出てきました」

 ――昨年から、ボートレース界最高峰の舞台のSGにも出場。

 「ボートレースの世界に入ったからにはやっぱり一番上を目指したいという意識をずっと持っています。勝負の世界なので、その気持ちが切れてしまったら自分は終わりだと思う。トップに立って、見たことのない景色を見てみたいです」

 ――SGやGIのタイトルを取るのに何が必要だと感じていますか?

 「SGで一緒に走る人たちはみんな経験値が高いなと思います。自分もSGを走るようになって、見えない部分で自分の経験として積み重なっている部分はあると思うけど、今はまだ成長するための経験値を積んでいる段階。でもその差は自分の努力で埋めたいと思っています。努力では誰にも負けません」

■「練習大好き」 大歓迎の訓練担当

 ――最近、福岡支部の若手の練習をとりまとめる役割の“訓練担当”に就任したそうですね。

 「やる人がいなかったから『じゃあ、自分がやります』って言いました(笑)。でも、私はそもそも練習自体が大好き。訓練担当なら休みも練習に打ち込めるし、後輩の男子選手にも刺激を受けられるので、自分のためにもなっています。それに、自分の姿からも何かを学んでもらえたらいいなと思う」

 ――来年は福岡でSGチャレンジカップ(CC)が開催されます(賞金上位34人が出場。女子の賞金上位20人が出場するGIIレディースCCを同時開催)。この大会への思いは?

 「地元で出場できる機会ですし、もちろんレディースCCの方じゃなくてSGの方で出場したい。でも、そこに向けて目標を立てているわけではないです。自分は常に“今”を全力で生きているので・・・。目の前の一走一走に集中して、結果を積み重ねて、出場につながればと思います」

 ――最後に今大会への意気込みを。

 「博多の水面は誰にも譲れない。優勝しか見ていません。1番を目指して熱いレースをします!」

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