ボートレース

【びわこボート・西スポ杯】久田敏之が初のびわこV 20代の敗戦を43歳で雪辱

 びわこボートで好レースを展開した「第8回西日本スポーツ杯」(優勝賞金80万円)は最終日の6日、最終12Rで優勝戦があり、1号艇の久田敏之(43)=群馬=がイン逃げで優勝。今年3回目、通算では45回目、びわこでは初めてのVを手にした。2着は4号艇の向後龍一、3着は3号艇の山田康二。3連単は4040円の15番人気で決着した。久田の西スポ杯Vは2018年2月のからつ以来2度目。
<関連記事>びわこ西スポ杯の歴代覇者【表】

通算では45回目のVを喜ぶ久田敏之

■ヒーロー
 20代の無念を晴らした。久田敏之が初のびわこVに「若い頃にチャンスを逃していたので、勝ててよかった」とホッ。初Vを懸けて1号艇で臨んで6着に敗れたのは2007年の新鋭リーグ。マスターズ世代も間近な今になっての雪辱だ。

 耐えてつかんだ優勝だ。相棒は2連対率29%の低実績機。前検日のうちにペラ調整を施すと、「悪いことはなかったので、それからは叩かなかった。我慢でしたね」。あとは自分のレースに徹してポイントを積み重ねることに集中。予選トップまでつかんだ。

 そして優勝戦は強いホーム追い風の波立つ水面。「絶好の水面だと機力差が表れるから、優勝できなかったかも。うねりと波に助けられた」。我慢の先にあった天候に感謝した。

 我慢は「もういい年ですから」という経験から得た境地。「勝負には流れがあって、頑張ってもできないこともある。けがや事故をしないことが第一」。レース後、予選の不良航法でトップ通過を逃した地元のホープ中島秀治が祝福に駆け寄ると、「今節はおまえが優勝しなきゃいけなかったんだぞ!」。勝負の奥深さを知る年長者として、失態でチャンスをしぼませた若者に最高のエールを送った。

 9月にはGⅠ開設72周年記念「びわこ大賞」で再びこの水面を走る。「次はもう少しいいエンジンを引きたいですね」。自らはまずは抽選運に身を任せて、再度の活躍を目指す。(深堀慎一郎)

■プロフィル
 ◆久田敏之(ひさだ・としゆき)1981年4月28日生まれ。群馬県太田市出身。足利工大付高卒業。登録番号4188。2002年11月デビューの91期。09年7月にからつで初V。SGは16年10月、福岡ダービーで初出場し、20年11月の蒲郡チャレンジカップでの優出(3着)がある。GⅠは通算9優出でVはまだない。一般戦も含めた通算では210優出45V。168センチ、52キロ、AB型。父・正晴さん(引退)もボートレーサー。

優勝戦の1周2Mを先頭で回る久田敏之
  • Twitter
  • Facebook
  • Hatena

関連ニュース

  • Twitter
  • Facebook
  • Hatena