【福岡(サマータイム)ヴィーナスS】魚谷香織 夫を乗り移らせる<クローズアップ>

<クローズアップ>
負けてなお強し。準優10Rで魚谷香織(37)=福岡=は、2コースからインの小野生奈をいったんは差し切ったものの1周2Mで逆転を許して2着。「ターンでロスがあった分、余裕のないターンをしてしまた」。しかし、間違いなく小野を追い詰めたのは事実で、力を見せつけて最終決戦に駒を進めた。
機力は文句なしにトップクラス。回り足にロスがあったとはいえ、「BSでは小野さんより明らかに伸びていた」と行き足や伸びの良さは健在。「調整が合えば出足や回り足もいいし、伸びももっと伸びるはず」。そのペラ調整も準優でどうすればいいかはつかんだだけに、優勝戦は楽しみが尽きない。
今期(昨年11月~)は好成績を残しているが、出走回数不足でA1復帰は持ち越し。これにはやむにやまれぬ事情があった。「実の父が亡くなって、いろいろバタバタしてレースに行けなくて…。その中でよくやれたと思う。来期は本腰を入れて頑張りたい」
これが昨年7月の芦屋以来、9カ月ぶりの優出。当然、ここで満足するつもりはない。「久しぶりに優出できてうれしいけど、それ以上に久しぶりに優勝したい。勝つには攻めるしかないので、最後は〝青木幸太郎〟みたいなレースをしようかな(笑)」。夫の青木のレースとは伸びを生かした目の覚めるような〝強S一撃〟。3年半前の当地以来のVへ、弾丸まくりを決めてみせる。(森 大輔)