【福岡ボート(サマータイム)一般】永嶋裕一 ミラクルは終わらない
執念が実を結んだ。永嶋裕一(38)=福岡=は予選突破へ1着条件で迎えた4日目7Rで、4コースから値千金の白星を奪取。1周1Mは2番手で万事休すと思われたが、まくって先行していた桂林寛が1周2Mで波に足を取られてまさかの失速。「奇跡が起きた。桂林さんには申し訳ないけど、何としても準優に乗りたかったのでこの1着は大きい」。敵失とはいえ運も実力のうち。準優への強い思いが幸運を呼び込んだ。
準優への強い思いは機力の良さがあってこそ。「行き足や伸びは本当にいい。出ている荒井輝年さんとも全く一緒」。伸びの良さは序盤から選手間でも評判で、「準優でも一発決められるレベル」と自信を持っている。機力はトップ級であり、戦闘態勢は十二分に整っている。
今期(5月~)は期初めにFを切ったことで苦戦を強いられてきたが、F休み明けの8月からはリズムも復調。来期にA級復帰をもくろむためにも、さらに自信を取り戻す結果が欲しい。「今期はずっと苦しんできたんで、最後にいい思いがしたい。気持ちが盛り上がるレースをしたい」
そのカギはS。F持ちの身なので慎重にならざるを得ないが、勝負どころは本来の姿を見せるつもり。「全速のSさえ決まれば全部まくれるぐらいの足。準優は絶対にSを踏み込みます」。予選最終走のミラクルは、ここへの布石。アウトからのフルダッシュ一撃で大下克上を果たす。(森 大輔)