【若松ボート(ナイター)GⅠ周年記念】地元の西山貴浩が悲願の当地記念Vを達成
若松ボートのGⅠ開設72周年記念「全日本覇者決定戦」は最終日の2日、12Rで優勝戦が争われ、1号艇の西山貴浩(37)=福岡=がイン逃げを決めて快勝。3月のからつダイヤモンドカップ以来、GⅠは4回目、若松では初の記念タイトルを獲得。賞金1200万円を加算し、賞金ランクは10位まで浮上した。2着は4号艇の森高一真、3着は3号艇の前田将太が入り、3連単は2070円で7番人気の決着となった。なお、6日間の売り上げは99億1211万9500円で、目標の90億円を上回る大盛況のうちに幕を閉じた。
■ヒーロー
西山貴浩がまずひとつ、地元水面で悲願を達成した。
手にした48号機は平凡な素性だったが、大整備を施して日々上昇。予選を大敗なくまとめて首位通過。準優も堂々押し切って、1号艇で迎えた最終決戦。インからコンマ13のトップSを決めて1Mを先制。「1Mはヤバいと思った。森高一真が見えました」。ヒヤリとしながらもBSで独走態勢を構築。「何年か前に、中田達也とどっちが先にこのタイトルを取るか、そういう話をしてました。そんなことを思い出しながら3周回りました」。亡き後輩の思いも背負い、地元ファンの大歓声を受けながらゴールを駆け抜けた。
優勝セレモニーにも大勢の観衆が詰めかけた。「幸せもんです。皆さん応援していただいてありがとうございます」と何度も頭を下げた。「若松は最高です」。その言葉にファンは再び沸いた。
来年は3月にクラシック、8月にメモリアルと若松で2回のSGが開催される。西山にとっては最も熱い一年が待っている。「ここでGⅠが取れたら一生優勝できなくてもいいと思っていたけど、まだ続きがある。クラシックから気合を入れて頑張りたい。峰(竜太)をぶっ倒します」。今度は最高グレードを制し、再び大観衆の待つお立ち台に戻ってくるつもりだ。(小野亮太郎)
◆西山貴浩(にしやま・たかひろ)1987年5月15日生まれの37歳。北九州市出身。福岡支部所属。2005年11月デビューの97期。同年12月大村で初1着。07年のデビュー初優出、08年の初優勝をともに若松で飾っている。20年徳山ダイヤモンドカップでGⅠ初優勝。15年の住之江グランプリシリーズでSG初優出(5着)。通算50V。今回でGⅠは4V。同期には山口達也、土屋智則、池永太らがいる。168センチ、54キロ、A型。