ボートレース

【からつボート・3Daysバトルトーナメント】峰竜太 特別インタビュー/目指すはボートレース界の代名詞的存在/10月12日開幕

 ボートレースからつ(佐賀県唐津市)のファン感謝3Days「ボートレースバトルトーナメント」が12日から3日間の日程で開催される。1回戦、セミファイナル、ファイナルと、各日とも完全勝ち上がりの一発勝負のトーナメント。しかも枠番は抽選で、運も味方に頂点を目指す独特の企画レースだ。そんな一戦に、最も注目を集めて臨むのが佐賀のエースでボートレース界のエースともいえる峰竜太(39)。「ファン感謝」を地で行くサービス精神あふれる好漢が、貴重な機会の地元の一大祭典への意気込みなどを熱く語った。

◆峰竜太(みね・りゅうた)
 1985年3月30日生まれ。佐賀県唐津市出身。唐津西高卒業。登録番号4320。2004年11月デビューの95期。05年11月にからつで初優勝。GⅠは09年2月、九州地区選(芦屋)で初Vを挙げ、67優出19V。SGは17年7月のオーシャンカップ(まるがめ)で初制覇し、28優出6V。一般戦も含めた全成績は268優出103V。昨年は8度目の年間最高勝率のタイトルを獲得。20年には勝率のほか、MVP、最多勝利、最多賞金、記者大賞と年間タイトルを総なめにした。バトルトーナメントは、準Vが2度あるが優勝はまだない。173センチ、51キロ、B型。

 ――からつでは初めての3Days開催です。

 「今回も主役のつもりです。ただ、3Daysってお祭り的な一面があるレースですよね。いつもと同じように真面目に頑張りますというよりも、楽しく盛り上げられたらいいなという気持ちもありますね。ボートレースはエンターテインメントの要素もありますから。その良さを出せたらいいなと思っています」

 ――大会についての印象はいかがでしょうか?

 「実はお祭り的な大会は得意で、尼崎(2020年の第5回大会)では初戦(1回戦の前の一般戦)のイン逃げの後、1回戦、セミファイナルと2回6号艇を引いたけど、ピンピン(1着、1着)で勝ち上がった。そのときは場内がすごく盛り上がっていましたね。お客さんも多かった。そういうときは自分は強いんですよね。盛り上げようという気持ちがいい方に働いていたのだと思います」

 ――近況の調子も万全ですか。

 「僕自身の物差しで測った感じだと、調子は一番に近いところにいると思いますよ。(自分は今年のSG未制覇の中で)馬場貴也さんとかタイトルを取っている人はほかにいます。でも選手能力の点で見れば、かなりいいところにいるなと思っています」

 ――特に一番と感じられている部分はどこなのでしょうか?

 「調整面だと思いますね。そこでリードしているのが大きいですね。めちゃくちゃエンジンを出せていると思います。プロペラというよりも整備ですね。ただ、整備で出ているということは運がいいということだと僕は思っています。僕自身、整備力があるわけではないですし、たまたま運良く出てくれたというだけですから。でも、そのたまたまを生み出すための整備への行動力は、人より圧倒的にあると思います。他の人以上に、自分は整備作業をやっていますし、それで(エンジンが出る)確率がアップしているのだと思います」

 ――整備といえば峰選手はかなり早い段階での整備が多く見受けられます。

 「僕は決断が早いですから。前検日に(エンジンが)駄目だと思ったらすぐに整備に行きます。それはなぜかというと、優勝するための責任感ですね。(整備をしなくても)準優、優勝戦には乗れるかもしれない。ただ、優勝戦で自分より圧倒的にエンジンがいい人がいると、諦めの気持ちがどこかに出てしまう。でも自分は、優勝を期待された主役として開催に呼ばれていると思うので、そういうふうにはなりたくないんです」

 ――常に大きな責任感を背負って走るのは大変なことだと思います。

 「大変なのは大変ですよ。それにサボるのも簡単です。でも、まだそういうことをしたくないですし、僕のことを見ている後輩もいますからね。その子たちがサボり始めたら僕の責任にもなる。僕は言葉で伝えるタイプはないので、自分の行動で示しています」

 ――地元からつでも峰選手が走るとなると、ファンの声援はひときわ大きいです。

 「すごいですよね。それだけ自分に集客する力、それに売り上げを引き上げる力があると思うと、どうしても責任感が生まれるし、開催中の仕事量が増えますね。他のみんなも手を抜いていないと思うけど、自分が一番、手を抜いていないと言い切れます」

 ――今大会は3日間の超短期決戦。普段はなかなかない日程です。

 「自分には関係ないですね。6日間だから120パーセントを出していないのかと言われるとそうではないし、一走一走が120パーセントの気持ちで走っている。それが3日間になっただけで、グランプリだろうとそこは変わらないですね。ただ、この大会で気になるのが枠番が全て抽選というところ。運が悪かったら、さっき言ったみたいに6号艇を2回引いてしまいますからね。そこは平等ではないので、いつもより運の要素が大きい大会かなと思います」

 ――峰選手ら実力のある選手にとっては不利な大会かもしれませんが…。

 「逆に言えば、あまり活躍していない選手が名前を売る大会でもあるのではないかなと思います。例えば、B級選手と僕が戦っても、普通に考えれば誰もが僕が勝つような予測が頭をよぎると思います。でもそうはいかない場合が起こり得るのがこの大会。本命狙いというよりも、逆張り的な意味でもこの大会は面白いと思います。でもその考えでは、僕はアンチの立場なので、人気に応えながら優勝したい(笑)」

 ――いろいろな意味でファンの注目を集める大会になりそうです。

 「野球界での大谷翔平選手みたいになれたら…。なれないですけど(笑)。でも、自分は広告塔というか、『ボートレースといえば峰』というような選手になりたいと思っています。あとはお金を生む存在。そこは(日本ハムの)新庄剛志監督のようにですかね(笑)。40歳近くになって、今は売り上げを考えるようになって、(業界発展のためには)自分一人が頑張っていればいいというような話ではないと思うようになりました。高い売り上げを生み出してやろうではないですけど。そういう選手って少ないじゃないですか。その中の一人に僕がいるのは幸せなことなので、責任を持って売上額という形にして一節を終えて帰りたいなと思っています」

 ――大会に向けての意気込みをお願いします。

 「からつではあまり縁のなかったお祭り的な大会に僕が呼ばれた責任は感じています。最終的に一番の売り上げになるのは、僕が優勝戦の1号艇に乗ることだと思う。枠番は抽選ですけどね。プロペラうんぬんとかエンジンがどうだとかではなく、責任感を持って最後まで主役として終わりたいと思います」

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