【びわこボート・GⅡ秩父宮妃記念杯】遠藤エミ 特別インタビュー/「またいつか、グランプリへ」/10月15日開幕
ボートレースびわこ(滋賀県大津市)のGⅡ「第68回結核予防事業協賛 秩父宮妃記念杯」が15日、幕を開ける。6月のSGグランドチャンピオンで優勝の土屋智則をはじめ、今垣光太郎、井口佳典、湯川浩司、深谷知博らSG覇者がずらり。そんな豪華メンバーを迎え撃つ地元滋賀勢は、8月のプレミアムGⅠ「レディースチャンピオン」で連覇を飾った遠藤エミ、9月のGⅠ「びわこ大賞」を制した深井利寿の師弟コンビをはじめ5人。中でも主役候補の筆頭は遠藤だ。地元では4Vの実績で好走必至。大会の顔である初日ドリームの1号艇にも組まれた。史上初の女子のSG覇者でもあるボートレース界のクイーンに、地元の伝統のGⅡ戦への意気込みや仕事へのこだわりを語ってもらった。
◆遠藤エミ(えんどう・えみ)
1988年2月19日生まれ。滋賀県日野町出身。八幡商高卒業。登録番号4502。2008年5月デビューの102期。12年11月に鳴門で初優勝。GⅠは17年12月、クイーンズクライマックス(大村)で初Vを挙げ、15優出4V。SGは22年3月のボートレースクラシック(大村)で初制覇。史上初の女子のSG制覇とあって広く報じられた。一般戦も含めた全成績は154優出44V。今年は8月のGⅠレディースチャンピオンのVを含む4V。姉・油浦ゆみさん(引退)もボートレーサー。154センチ、47キロ、A型。
――2022年3月、クラシックでの女子選手初のSG制覇は歴史を動かしました。自分の中にも大きな変化をもたらしましたか。
「特に何も変わっていないです(笑)。ただ、SGを勝てたことで、より強い気持ちを持って走れているかなとは思います」
――ピットに引き揚げてすぐの優勝インタビューでは涙がこぼれていました。
「あれはインタビュアーさんが泣いていたので、つられて泣いちゃいました(笑)」
――今年8月にはレディースチャンピオンを連覇。お見事でした。
「勝てたことはもちろんうれしかったです。でもやっていることはいつもと何も変わっていないし、たまたま結果がついてきたのかなと思ってます」
――今年は4Vで、SGでも2回の準優入り。昨年以上の足取りの要因は何ですか。
「一節間を通して、分からないまま終わることが減ってきています。いいエンジンを引けていることもありますけど、自分でも『これなら大丈夫だな』という足に仕上げることができている。それが5日目だったり、6日目だったりと、仕上がるタイミングが遅いこともあるんですけどね」
――9月は滋賀勢が大活躍で、馬場貴也選手がSGメモリアルを制覇(1日)し、深井利寿選手はGⅠびわこ周年で優勝(17日)。丸野一樹選手はGⅡ三国MB大賞(7日)とGⅠ徳山周年(29日)でV。すさまじいです。
「先輩も後輩もみんな、本当にすごい。滋賀支部として私もついていけるように頑張ります」
――刺激になりますか。
「そうですね。うれしいのはもちろんですし、自分も頑張らなきゃという気持ちになりますね」
――その中で目標として定めるものはありますか。
「もう一度グランプリには行きたいですね。チャンスがあれば、またいつか、いつか…(笑)」
――やはりグランプリは格別の舞台でしたか。
「初めて出場した前回のグランプリ(22年、トライアル1stステージで敗退)が、とにかく悔しすぎる結果でした。何もできなかったので…。自分の甘さも出ましたし、もっと強くなりたいと思いました。だからもう一度、いつか出られたらいいなって思いながら日々、仕事に取り組んでいます」
――今年の賞金ランキングは25位(1日現在)。今がそのチャンスです(グランプリ出場権は1〜11月の賞金上位18人)。
「はい。でも、そんなに簡単に行けるものではないのがグランプリなんです」
――その点でも重要な一戦になる地元のグレード戦。初日ドリームの1号艇を任されました。
「え、私でいいんですか(笑)。少しでも賞金の上積みが欲しいし、地元だし、いい結果を残せるように頑張ります」
――地元戦には他場とは違った気合が入りますか。
「全国どこに行ってもレースは全力です。やることは変わりませんから、地元だから特別こうしようとは思わないです。あまり熱くならずに、自分らしく冷静にレースがしたいです」
――豪華メンバーの一戦に、地元以外のファンも訪れそうです。観戦がてらの滋賀の見どころを教えてください。
「近江八幡市の八幡堀めぐりがオススメです。映画の撮影に使われることもあって、とても雰囲気がいいですよ。屋形船に乗って風情のある景色を楽しんでみてください。あと私の出身の日野町も、のどかな街並みが良くて、とてもいいところですよ」