ボートレース

【びわこボート・GⅡ秩父宮妃記念杯】吉田拡郎が4カドまくりで大会初制覇

 びわこボートのGⅡ「第68回結核予防事業協賛/秩父宮妃記念杯」(優勝賞金490万円)は最終日の20日、12Rで優勝戦を争い、4号艇の吉田拡郎(42)=岡山=が枠なりのカドから03のトップSを放ち、一気のまくりで1着。大会初、GⅡ通算4度目のVを挙げた。人気を集めた1号艇の大上卓人は2着で、3着は2号艇の馬場貴也。3連単は9880円の30番人気。6日間の総売上額は51億1694万3700円で目標額(50億円)をクリアした。

 一気のカドまくりで大会初制覇を飾った吉田拡郎

■ヒーロー

「4カドの仕事」を全う/ゼロ台Sで一気のまくりV

 茅原悠紀が4カドから圧巻の勝利を飾ったオーシャンカップから3カ月。同じ岡山の先輩・吉田拡郎が、同じ4カドからドカンと一撃で優勝をつかんだ。

 「彼の攻める姿勢は自分の刺激になっているので、あの走りは意識にありました。4カドの仕事はしたいなと思っていた」

 そして踏み込んだのが、ただ一人ゼロ台の03。「最近、自分を信じていいSが行けている。S力で飯を食っているので、それで目立つことができて良かった。03は早すぎなので駄目ですけど」。あわや事故のタイミングには反省だったが、持ち味を出し切った走りには胸を張った。

 4カドが有力だった優勝戦は伸び型で臨むつもりだった。しかし、施した仕事は全く実らなかった。「整備も調整もしたけど、レース間のS特訓でも全然伸びなかった。伸びでまくるのは無理だな」。逆にそれでSへの集中力はアップ。腹を決めた速攻派のS力が、猛烈に火を噴くことになった。

 このVで今年の賞金ランクは42位まで浮上。「グランプリシリーズ戦(12月、住之江)には行けそうですね。クラシックとかオーシャンカップとか、来年に行けるSGも増える」。それどころか、ここまで浮上すれば、今年のチャレンジカップ(11月、下関)出場の可能性も出てきた。「SGで全然活躍できていないので来年こそは…。あ、今年もまだあと2カ月ありますね」。心の中でくすぶり続けている火種は、すぐにでも大きな炎にしてみせるつもりだ。(深堀慎一郎)

優勝戦の1周2Mを悠々と先頭で回る4号艇の吉田拡郎

  ◆吉田拡郎(よしだ・かくろう)1982年4月18日生まれ。岡山県倉敷市出身。倉敷南高卒業。2002年5月デビューの90期。04年10月、児島で初V。GⅠは14年4月の大村周年で初Vを挙げ、32優出4V。SGは14年7月のまるがめオーシャンカップを制し、4優出1V。GⅡはこれで7優出4Vで、一般戦も含めた通算は225優出58V。169センチ、54キロ、B型。

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