ボートレース

【戸田ボート・SGダービー】桐生順平が地元で初のダービー王

レース後にボートの上でガッツポーズする桐生順平

 戸田ボートのSG「第71回ボートレースダービー」は27日、最終12Rで優勝戦が行われ、3号艇の桐生順平がまくって勝利。2017年グランプリ以来、7年ぶりとなるSG優勝を果たした。2着は5号艇の佐藤翼、3着は2号艇の毒島誠が入った。1号艇の峰竜太は4着に敗れ、3連単も4万8420円と大波乱の結末となった。6日間の総売り上げは141億1924万4800円で、目標額の145億円にはわずかに届かなかった。

ダービージャケットに袖を通し笑顔の桐生順平

■ヒーロー

 桐生順平が待ちに待った地元SGタイトルをついに手にした。

 本番は枠なり3対3。追い風が吹き始めた水面でSはコンマ16のタイミングを踏み込むと、1Mは「イチかバチかでいった」と覚悟の全速まくり。「走り慣れているか、慣れていないかの差もあったと思う」。熟知した水面も味方に1号艇の峰竜太を一気にのみ込むと、地元ファンの大歓声が待ち受けるゴールに飛び込んだ。「うれし過ぎてどう表現していいか分からない」。ゴール後には思わずガッツポーズも飛び出した。

 1Mのターンが〝イチかバチか〟なら調整も〝イチかバチか〟。「朝のスタート練習でペラが合わず下がっていた」と相棒の異変に気づくと、「今節は我慢していたけど、後悔しそうなので、悔いのないようにやっちゃおう」とリング交換に大幅なペラ調整にも着手。そのかいもあって「体感が良くなった」。Vへのターンにもつながった。

 これで賞金ランクも一気に2位に浮上。「今年はFをして、休み明けにまたFをしてと、道をなくしていたけどこれで広がった」。「取りたい」と目標に掲げる年末のグランプリも2nd圏内にまで押し上げた。艇界随一の旋回力を誇る実力者だが「勉強になった一節間だった。たまたま勝てただけで、まだまだ底力が足りない」と向上心を決して忘れない。この後はすぐにF休みに入る。「休みはまた、ペラなど勉強します」。一回りも二回りもレベルアップして2度目の頂点取りへ向かう。(古賀正史)

■プロフィル
◆桐生順平(きりゅう・じゅんぺい)1986年10月7日生まれの38歳。福島県出身。2007年5月に戸田でデビューの100期。埼玉支部所属。初白星も初優出も初Vも地元戸田。SGは15年のクラシックで初Vで、17年に再びクラシックを制すると、年末のグランプリも優勝。同年のMVPと賞金王に輝いた。通算では198優出59V。162センチ、52キロ、AB型。

■峰竜太は連覇ならず「桐生君に完敗」

 1号艇で臨んだ峰竜太は、桐生順平のツケマイにのみ込まれ4着。大会連覇の夢は断たれた。レース後には「展示が全然乗れなくて、本番は丁寧に行ったら掛かり過ぎて抵抗できなかった。仕上がりは100点だったけど・・・」と肩を落とした。それでも「SG(優勝戦)1号艇に乗れてまだまだ自分はできると思った」と今年SG初優出に自身の強さを再認識。「今節の桐生君に完敗でした。強い!」と勝者をたたえながらも「この悔しさはグランプリに」。年末でのリベンジに闘志を燃やした。

表彰式で2着の佐藤翼(左)と3着の毒島誠(右)にたたえられる桐生順平

■戦い終わって
 佐藤翼(2着)桐生さんとワン・ツーできたのはうれしい。優勝できなかったのは今の自分の実力。
 毒島誠(3着)1Mはハンドルを切れなかった。足は仕上がっていた。桐生選手がうまかった。
 関浩哉(5着)ターンマークを回れなかった。足は回転だけ合わせていってすごく良かった。
 馬場貴也(6着)ちょっと調整がズレていた。優勝戦メンバーは仕上がりがすごい。足が見劣りました。

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