ボートレース

【若松ボート(ナイター)PG1マスターズC】井口佳典が24代の「名人」を襲名

BBCトーナメント行きフラッグとボートレース振興会会長賞メダルを手に優勝を喜ぶ井口佳典

 一時代を築いてきた名タレントが6日間、しのぎを削った若松ボートのプレミアムG1「第24回マスターズチャンピオン」は最終日の23日、12RでV賞金1200万円の優勝戦が争われ、1号艇の井口佳典(45)=三重=が、16の快Sを叩き込み、イン速攻。大会初出場で初Vの離れ業をやってのけた。2着に5号艇の魚谷智之、3着に2号艇の濱野谷憲吾。地元の福岡支部で唯一、優出した瓜生正義は枠なり4コースから5着だった。6日間の総売上額は100億2579万1300円。目標の100億円を上回る盛況で閉幕した。

優勝戦レース結果

■ヒーロー■
 マスターズのカテゴリがさらに、厚みを増した。45歳を迎えて大会に初出場した井口が、予選トップ通過で王道V。「ホッとしている。1Mは中澤さんに攻め込まれそうになったが、舟足が良くて持ちこたえられた」。24回を数える大会で、初出場の初Vは西島義則、江口晃生、渡邉英児、原田幸哉に次いで5人目。長く語り継がれる歴史に「井口佳典」の名前を刻み込んだ。
 4号艇にエントリーした初日ドリームは、代名詞とも言えるまくり一撃で制圧。この上ない結果で幕を開けたが、今節は安定板が付いたり外れたり。荒れ水面や調整との戦いでもあったが、「完璧な調整ができて、自信を持ってレースに行けた」。頂上決戦は本人も大絶賛する非の打ちどころがない足色。こうなれば、百戦錬磨の先輩5人はひとたまりもなかった。
 G1のVは2020年6月の大村周年以来、約3年ぶりだ。「まだG1を取れるんやということを、今節思った。調子は上がっていると思っていたし、もう一つ上のタイトルを目指したい」。SG6冠を誇る三重支部のエースが、長い眠りからようやく目覚めた。
 G1の「もう一つ上」はSG。2023年のSGロードは第1弾のクラシックから出場して、5月のオールスターと6月のグラチャンも切符は獲得済み。「これくらい活躍できるように、まだまだやっていきたい。先輩方に少しでも追い付けるように」。完全復活した井口のSG戴冠を、今年は見られる気がしてならない。(荒木翔吾)

 ◆井口佳典(いぐち・よしのり)1977年8月22日生まれの45歳。三重県松阪市出身。松阪工高卒業。99年11月に津でデビューの85期。三重支部所属。マスターズチャンピオンは初出場で初V。G1の通算は16V。最高グレードのSGは通算6V。一般戦を含めた通算は253優出83V。167センチ、54キロ、A型。

ガッツポーズで優勝を喜ぶ井口佳典

■戦い終わって■
 魚谷智之(2着)足は全部が良かった。1Mの隊形だけ。もうちょっと展開が空いてくれれば。でも、悔いはない。
 濱野谷憲吾(3着)1Mはナカ(中澤)さんの引き波にはまるし、よく3着で帰ってきたもんだと思う。でも、何か出足が良くなっていた。
 中澤和志(4着)もう少しだったけどね。いい仕上がりだと思ったけど少し重かったかな。もうちょっとSが行けていたら。
 瓜生正義(5着)S展示からS勘のズレがあって思い切って仕掛けられなかった。足は出足もついて万全の状態だっただけに・・・。また地元で大きな大会があったら頑張ります。
 今垣光太郎(6着)仕上がり的には良かった。また来年この舞台に戻ってきたいと思う。

優勝戦の1周2Mを先頭で回る井口佳典

■12R優勝戦VTR
 枠なりの3・3。①井口がSを決めて1Mを先取るとパワー全開の③中沢が外全速で襲いかかったが、井口がしのいでBSで先行した。次位は⑤魚谷が、最内から伸ばした⑥今垣を2Mで抱き込んで回って浮上すると、2周1Mで③中澤を外マイで沈め決着。同Mで中澤を差してとらえた②濱野谷が3着。

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