【住之江ボート(ナイター)SGグランプリ】峰竜太は良機ゲット 瓜生正義が早くも一目置かれるパワー
【ボート王国 九州・山口!】
唯一トライアル2ndスタートの峰竜太、グランプリ初出場の宮地元輝、定松勇樹をはじめ、九州・山口勢は全4支部から総勢17人が出場する。
峰が手にしたのはAランクの良機36号機。2日目まではまだ待ちの状態だが、早くもペラ調整に手応えを得ている。「乗り込むうちに良くなっていく感じがあった。もう少し爆発力が欲しいので、悔いのないように仕上げていきたい」。初戦まではまだまだ時間はたっぷりある。与えられた時間を有効活用して、3日目には〝いつも通り〟のハイパワーにしてみせる。
同じ佐賀でもグランプリ常連の峰に対して、初参戦の宮地と定松は、ともに機力に関しては芳しくなく渋い表情。ただ、レースは機力が全てではなく、全てが一発勝負のグランプリは〝気力〟がものをいうのも事実。「ファンのおかげで出させてもらえたオールスターを勝ってここに来た。今度はここで勝つのが恩返し」と殊勝に語った定松に対して、宮地も「やるだけやる」と闘志満々。峰と同様に〝いつも通り〟のスタンスで初戦に備える。
対照的だったのは福岡コンビ。西山はエンジン抽選ではAランクのエンジンを引き当てて喜色満面だったが、試運転、特訓と前検作業が進むにつれて顔色が一変。「瓜生さんにかなり伸びられた。中間整備が入っているエンジンの方が明らかに上。この差を埋めるには、20キロぐらい減量しないとダメ」。共同記者会見終了後は整備室に直行。「来年頑張ります」というのはあくまでもブラフ。願い続けた3年ぶりのグランプリの戦いで、このまま終わるつもりは毛頭ない。
西山の言葉にも出た瓜生は、「伸び自体はいいですね」と機力に十分の手応え。戦前にピストン、リング、シリンダー、ギアケース、キャリーボディー交換の〝大手術〟が施された相棒33号機は戦前の評価とは別物。直前の福岡周年でも、「10月から変えたペラ調整のベースが当たっている」と話していただけに、さらなるパワーアップも十二分に見込める。選手会代表として初めて臨むグランプリで、レーサーとしての本分を存分に発揮するつもりだ。
シリーズ組の九州勢で目立った選手はいなかったが、近況の勢いなら新開航の右に出るものはいない。「僕なんてまだまだですよ」と謙遜するが、20代でGⅠを2Vの実績は福岡の次世代のエース候補と呼べるもの。初戦の不利枠を克服して、悲願のSG初Vへ向け気運を一気に高める。(森 大輔)