【住之江ボート(ナイター)SGグランプリ】西山貴浩が反転攻勢に闘志
【ボート王国 九州・山口!】
今年のボートレース界の頂点を目指す5人の郷土勢は、2nd(3日目~)スタートの峰竜太を除いた、瓜生正義、西山貴浩、宮地元輝、定松勇樹の4人が、1stステージの初戦に臨んだ。
最初の11Rには宮地と瓜生が登場。宮地が3着で瓜生が4着とともに中間着。ただ、レースの中身は大きく異なり、宮地は〝抜かれて〟の3着で、瓜生は〝抜いて〟の4着と内容の良さは着順と正反対だった。
当然ながら好気配なのは瓜生。「伸びがいいし、今のところ足合わせで誰にも伸びられない。ペラ調整にもめどが立った」とさらなるパワーアップを予告。17日は同期の盟友・魚谷智之の引退が報じられたが、これも発奮材料になっている。「新聞の報道を見て初めて知りました。この仕事のきつさは分かっているつもり。今はただお疲れさんと言いたい。グランプリが終わって、ゆっくり話したい」
対照的に宮地は自らのレースに猛反省。特に道中は、「右手の指と手首がつってしまって、2周目から何もできなかった。こんなことは初めて」と痛恨の表情を浮かべて悔しがった。「この寒さと減量の失敗でこんなことに…。体重管理のまずさを含めて、これも実力のうち」。とはいえ、グランプリの初戦でうみを出し切ったと思えば、次は前進あるのみ。「開会式のファンの声援は力になった。何としても2ndに行く」。機力不足は気力でカバー。本来のファイトあふれる走りで苦境を脱してみせる。
定松と西山は12Rに登場し、定松は王者松井繁との接戦を制して3着を確保。「レースは平常心で臨めました」と23歳でSG初Vを決めた新星は、初のグランプリでも強心臓ぶりを披露。2戦目の枠番抽選では6枠を引いてしまい、「これは痛い」と天を仰いだが、勝負はげたを履くまで分からない。「精いっぱい頑張ります」。前向きな姿勢は天に通ずるはずだ。
西山は道中で先行しながらも、ごぼう抜きされての大敗にトークもトーンダウン。「試運転は上向いたかと思ったけど、本番では明らかに下がっていた。これは厳しい…」。とはいえ、苦心惨憺(さんたん)しながら再びつかんだ夢の舞台。このまま引き下がるつもりもない。「このまま走っても負けるだけ。もう一回整備をします。最後の最後まで諦めずに粘ってみます」。枠番抽選で手にした枠番は2号艇。得意とする枠番でもあるだけに、起死回生の一発をもくろむ。
シリーズ戦は桑原悠、原田幸哉の長崎勢が白星スタート。原田も瓜生と同じく、同期魚谷の引退に目を丸くしていたが、「自分はまだトップを目指して、あと10年は頑張るつもり」と自らのレースへの情熱を再確認。来年に完全復活を果たすためにも、盟友の思いを背負い続ける。