【下関ボート(ナイター)GⅠ周年記念】宮地元輝が薄氷の逃げで通算3回目のGⅠV 売り上げはGⅠ周年記念の記録を更新
下関ボートのGⅠ開設70周年記念「海響王決定戦」は16日、最終日が開催され12R優勝戦は1枠の宮地元輝がインから押し切って3度目のGⅠ制覇を達成し、初代〝海響王〟を襲名。優勝賞金1200万円を獲得すると同時に来年3月の蒲郡SGクラシックの出場権を手にした。2着は2枠の馬場貴也、3着は6枠の菅章哉が入り3連単は2950円の9番人気の決着となった。なお、売り上げは目標の100億円を大きく上回り126億4702万8100円でボートレース業界でのGⅠ周年記念の記録を更新した(それまでは2023年1月の若松周年記念の120億3182万5300円)。
■ヒーロー
まさに薄氷の勝利だった。伸び巧者の菅が戦前からチルト3度投入を明言。レース間特訓にも姿を現さずに自身の伸び足を隠した状態で本番に臨んだ。そして本番ではコンマ14のSから内枠勢を次々とのみ込んだ。ただ、インの宮地もコンマ11のSからこれに抵抗。「本当にギリギリでした。あと50センチくらいだったんじゃないかな」とあと少しでまくられてしまうところを、しっかりと受け止めて逃げに持ち込み、昨年11月の尼崎ダイヤモンドカップ以来となるGⅠ優勝のゴールを駆け抜けた。
「Sして失敗したと思いました。菅選手が見えてきましたから。普通のイン逃げで勝ちたかったですね。でも(観客にとっては)面白いレースになったんじゃないですかね」と冷や汗を拭いながらも笑顔を見せていた。
これで3回目のGⅠ勝利だが「いつも通りやれることをやっただけです。でも今は〝賞金王〟ですから、またグランプリに行きましょうか」と年末の大舞台に思いをはせた。
「しっかりいいターンをしてお客さんに期待してもらえるようなレースがしたいです」。次走のとこなめプレミアムGⅠ「BBCトーナメント」でも宮地らしい熱いレースを見せてくれることだろう。(岡部貴礼)