【福岡(サマータイム)一般】益田啓司 大器晩成を地で行く
新期初戦を最高の形で滑り出した。益田啓司(44)=福岡=は、初陣となった初日8Rで圧倒的な人気に応えて押し切り勝ち。「Sがだいぶ勘とズレているけど勝てて良かった」。選手なら期の初めに早く白星が欲しいのは当然で、いきなりの1着に満面の笑みがこぼれた。
機力にも手応えは十分。「本体を組み直してチルトを下げたら、乗った体感が良くてしっかりレースができる」。初日に訴えていた乗り心地の不安は、培った整備力で一夜にして解消。相棒68号機はCランクの中堅機ながら、戦えるレベルに引き上げている。
前期(昨年11月~5月)は勝率6.82をマークして前々期の6.40からは大きく伸ばして好調に見えるが、本人の感覚は正反対だったとも。「いつも使っていた伸び型のペラが全く合わなくなって、エンジンは出ていないことが多かった。ハッキリ言って不調でした。でも、今節みたいに本体を扱えるようになったし、旋回で変えるレースも増えた。少しはうまくなったのかな」
不調と感じる中で6.82という高勝率をマークしたのは、大きく地力が上がっている証明。今期は大躍進の雰囲気を漂わせる。「自分の中の『引き出し』は増えたので、これでペラが合うようになってきたら楽しみですね」。昨年にGⅠで2優出したのは才能開花の呼び水。大器晩成の言葉を地で行くためにも、まずは悲願の3大特選初Vで勢いをつける。(森 大輔)