【福岡ボート・GⅠダイヤモンドC】岡崎恭裕 悲願の地元GⅠ制覇
福岡ボートのG1「福岡ダイヤモンドカップ」(優勝賞金900万円)は最終日の18日、12Rで優勝戦を争い、5号艇の岡崎恭裕(35)=福岡=が5コースからまくり差して優勝。2着は人気を集めた1号艇の茅原悠紀、3着は3号艇の馬場貴也で、3連単は2万円台の高配当で決着した。岡崎は通算54回目のVで、G1は4回目、デビュー19年目にして悲願の地元G1初Vを成し遂げた。
■ヒーロー
ついにやった。平日ながら多くのファンを集めたスタンドを前に、岡崎恭裕(35)=福岡=が5コースから自身の代名詞とも言えるまくり差しで快勝。デビューした頃から願い続けた、「福岡のSGやG1で勝つ」という夢を叶えてみせた。
1~4号艇が茅原悠紀、寺田祥、馬場貴也、桐生順平。そして外には笠原亮と、オールSG覇者の実力者が居並ぶ一戦。「いい展開に恵まれて勝てたりしないかな」という淡い願望は、9R後のS特訓や、優勝戦のS展示で打ち砕かれた。「誰も遅れる気配はないし、ツキで勝てるほど甘くない」。逆にこれで腹は決まった。「やっぱり自力勝負。水面は考えずに思い切りターンする」。その言葉通り、誰よりも強烈なハンドルとスピードで1Mをターン。勝利を呼び込んだ。
夢にまで見た愛する地元でのタイトル戴冠。レスキューに乗り、ファンの声援を一身に浴びたウイニングランでは、過去53回の優勝で一度も思わなかった「もっとゆっくりレスキューを動かしてほしい」と願うほどの感激ぶり。ただ、心残りが一つだけ。「うれしいけど、次はお客さんの前の表彰式に出たい(今回の表彰式はピット内)。それが選手を目指すきっかけだったから」。
となれば当然、次のターゲットは来年8月に当地で開催されるSGメモリアル。「G1を勝てたんで、今度はもちろんSG。ここからは、来年のメモリアルに全ての照準を合わせていきます」。岡崎が紡ぐ物語はまだまだ中盤。全身全霊をかけて、“夢”の続きを追い求める。 (森 大輔)
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◆岡崎恭裕(おかざき・やすひろ)1987年1月10日生まれの35歳。福岡県嘉麻市出身。福岡県立香椎工高中退。17歳だった2004年5月に福岡でデビューの94期。デビュー9カ月という異例の早さで初Vを飾ると、デビュー丸6年の10年には浜名湖オールスターでSG制覇を果たした。今回が通算54回目のVで、SGは1V、G1は4V。生涯獲得賞金は8億3758万1516円。172センチ、52キロ、O型。