【尼崎ボート・GⅠ周年記念】毒島誠 GP覇者として「全選手の見本でありたい」/特別インタビュー/3月3日開幕
ボートレース尼崎(兵庫県尼崎市)
GⅠ開設72周年記念「尼崎センプルカップ」
3月3日(月)~8日(土)開催
ボートレース尼崎(兵庫県尼崎市)のGⅠ開設72周年記念「尼崎センプルカップ」が、3月3~8日に開催される。昨年6月にSGグランドチャンピオン(優勝:土屋智則)、同11月にGⅠダイヤモンドカップ(優勝:宮地元輝)を開催したのに続き、本年度の特別戦第3弾。
昨年のSG覇者が、グラチャンVの土屋智則をはじめ、クラシックとグランプリ優勝の毒島誠、オーシャンカップVの茅原悠紀、ダービーVの桐生順平、チャレンジカップVの河合佑樹とずらり参戦。この面々とともに昨年末のグランプリに名を連ねた松井繁も、尼崎を大得意にしており、V候補の一角を成す。
前回71周年覇者の島村隆幸は連覇へと挑み、61周年覇者の徳増秀樹、68周年覇者の丸野一樹も返り咲きへと闘志を燃やす。
迎え撃つ地元勢は8人体制。歴代グランプリ覇者に名を連ね、大会覇者でもある吉川元浩、同じく歴代大会覇者の吉田俊彦、稲田浩二、選手会兵庫支部長の和田兼輔らが、昨年は島村に奪われた地元タイトル奪還へと力を尽くす。
この豪華なラインアップの筆頭格とも言えるのが、昨年のグランプリ覇者で年間MVPにも選ばれた毒島誠。尼崎は62周年記念の覇者でもあり、10大会ぶり制覇への意気込みを聞いた。
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■「舟券貢献こそ公営競技レーサー」
――昨年は5回のVを挙げるなど活躍しました。
「悲願だったグランプリを最後に勝てたし、本当にいい一年だった不惑の40歳でした」
――グランプリを勝てた要因は何だったのでしょうか?
「今までチャンスはいっぱいあったけど、振り返ってみれば、取るための覚悟が足りていなかった。ハッキリ言って、今までは実力不足でした」
――何か変えたことはあるのですか?
「昨年は夏からグランプリ一本に絞って準備ができていました。何かというよりも〝全て〟。プロペラ調整も体作りも旋回もどれもです。絶対にグランプリを取る決意だったし、今年取れなければもう一生勝てないと思って過ごしていました。いい意味で自分を見つめ直せましたね。そういう意味では3月にクラシックを勝てたのも大きかった。早い段階でSGを勝てたことで、一年の計画が立てやすくなったのは間違いないですから」
――グランプリの次となると今年の目標はどこに置くのでしょうか?
「確かに難しいですよね(笑)。でも、やっぱりグランプリには毎年出たいなとは思います。あの大観衆の中でレースができて、あのすごい緊張感を味わえるのはグランプリしかない。またあの舞台に立ちたいです」
――そのために必要なものは何でしょうか?
「一年の目標も大事ですけど、それよりも毎日の目標が大事だと考えています。SGやGⅠで結果を出すことはもちろんですけど、もう一回、公営競技のレーサーとしての本分に立ち返りたいと思っています」
――具体的には?
「SGだろうがGⅠだろうが一般戦だろうが、ファンが買ってくれた舟券に貢献する。ファンが舟券を買ってくれることで、僕らの賞金が出ているわけですからね」
――グランプリを勝ったことで得た境地ということですね。
「偉そうなことを言うつもりはないですけど、やっぱりグランプリを勝った選手として、全選手の見本になるような立ち居振る舞いをしなくてはならないと思うし、したいとは思っています」
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■「加齢にあらがいたい」
――今後の課題はあるのですか?
「もう僕も40歳を超えたし、ここからは加齢でいろいろ落ちていくとは思うんです。それは仕方ない。でも、努力を重ねて年齢にあらがっていきたい。けがをせず、けがをさせずにいいレースを見せていきたいです」
――グランドスラム(SG8種全制覇)には、オールスターとグランドチャンピオンを残すのみ。
「いつかしたいと思いますし、今の自分が次にやりたいことであるのは間違いないです。それにオールスターを勝てば、初のGRANDE5(クラシック、オールスター、メモリアル、ダービー、グランプリを全制覇)というのも意識していますよ」
――今年もいい年にするためにも、年頭のこの尼崎周年は大事ですね。
「尼崎はすごくいいイメージがあります。成績がいいというのはもちろんだけど、調整もレースもフィーリングが合うんですよ。それにレース場自体の構造にも、仕事のやりやすさがすごくあります」
――最後に意気込みを。
「尼崎は本当に好きなレース場なので、行くのが楽しみ。一走一走頑張ります」
◆毒島誠(ぶすじま・まこと)
1984年1月8日生まれの41歳。群馬県桐生市出身。桐生工高卒。登録番号4238。2003年5月、桐生でデビューの92期。06年9月に鳴門で初優勝。13年夏のまるがめメモリアルでSG初Vを飾ると、17年から20年にかけては6Vを挙げ、昨年はクラシックとグランプリでVを飾り計9冠。ナイターのSGに強く〝ナイターキング〟の異名を持つ。一般戦も含めた通算では220優出81V。生涯獲得賞金は17億円超。年間タイトルは特別賞(18、19年)、最優秀、最多賞金獲得、記者大賞(以上24年)。妻・幸美さん(旧姓池田)は福井支部の元ボートレーサー。163センチ、55キロ、B型。
■センプルとは
ボートレース尼崎の愛称「センタープール」にちなんで名付けられた、ボートレース尼崎のマスコットキャラクター「センプルくん」のこと。アマガエルがモチーフ。お友達の「ピンクル」「ぶるたん」とともに、しばしば場内に登場する。