【ボートレーサー養成所・修了記念】佐賀支部の小栁勝希が136期チャンプ/ボートレーサー養成所修了式
ボートレーサーを目指し、1年間の厳しい訓練に耐え抜いた136期の修了記念競走が19日、ボートレーサー養成所(福岡県柳川市)で行われた。136期のチャンピオンを決める「養成所チャンプ決定戦」は、4号艇の小栁勝希(19)=佐賀=が抜きで優勝。佐賀支部では126期の常住蓮以来、9人目の養成所チャンプに輝いた。2着は1号艇の鐘ヶ江真司(23)=福岡、3着は3号艇の内田壮(20)=山口=が入った。九州・山口の郷土勢12人を含む修了生29人(うち女子10人)は5月から全国各地でデビュー戦を迎える。
「少しでもチャンスがあれば、絶対逃さないようにという気持ちで臨んでいました」。小栁がその言葉通りの気迫あふれる走りで、136代の養成所チャンプの称号をつかみ取った。
「行ける範囲で行きました」というSはコンマ29の5番手と後手に回る展開。1周BSでは先頭争いからも遠い位置だったが、「前で締めているのが見えたので、ターンマークを外さないようにと思って旋回しました」。1周2Mでは先頭を走る鐘ヶ江に迫る好旋回で首位争いまで浮上。「へ先がかかってくれと思いながら走った」と2周BSで並走に持ち込むと、2周2Mで外から猛追してくる鐘ヶ江を振り切り栄光のゴールを駆け抜けた。
レーサーを志したのは父の夢をかなえるため。「父が学生時代、ボートレーサーを目指していたけどその夢はかなわなかった。だから僕が父の夢をかなえようと思って、一度きりと決めて試験を受けました」。宣言通り夢への第一歩を踏み出すと「最初のリーグ戦は勝つことができたけど、事故に苦しんでいたので、このような終わり方ができてうれしいです」と、この一年のここまでの道のりを最高の形で締めくくれたことを涙ながらに振り返った。
目標とする選手は同じ唐津商業高卒で124期チャンプでもある末永和也。「丘の上でも水面でも常に冷静で、ターンも豪快さや迫力がある。GⅠやSGでも活躍しているので尊敬しています」。既に最高峰の舞台で戦う先輩を最高のお手本とする。
「一つでも上の着を狙えるように一走入魂で走りたい。そしてファンに愛される選手になりたいです」。父が夢見た舞台でのこれからの活躍を誓った。(河野強)