ボートレース

【福岡ボート(サマータイム)GⅠ周年記念】宮地元輝 面白いレースの提供にやりがい「高いレベルでインを崩したい」/特別インタビュー/4月13日開幕

ボートレース福岡
GⅠ開設72周年記念「福岡チャンピオンカップ」
4月13日(日)~4月18日(金)開催

■クラシック優出でリズム好転

 ――2025年も第1四半期が終わりました。振り返っていかがですか?

 「1月に下関周年を勝てたし、3月の若松のクラシックでは優出(4着)もできたので、まずは好スタートを切れたかなという感じですね。でも、下関の優勝の後は不満の残る部分もかなりありましたね」

 ――どんなことがありましたか?

 「下関の直後のとこなめBBCトーナメントは、仕上がりは良かったのに自分のミスが多かった。ターンやレースの組み立て方を含めて、自分がリズムの悪い時に現れる癖が出てしまっていましたね。その1カ月後のからつ周年は、エンジンがさっぱりで全く話にならなかった」

 ――そんな中での若松クラシックの優出。悪いリズムからは脱却できたのでは?

 「やっと流れは良くなってきたなと思います。SGやGⅠはほんの一つの着取りで予選の順位が変わるものだけど、若松はそれがいいなと感じられた。BBCでしてしまったようなターンのミスもなかったですしね。ペラ調整を含めても、今後に向けての手応えはありました」

 ――今年の福岡は春にこの周年記念、11月にはSGチャレンジカップ(年間獲得賞金上位34人が出場)を開催。福岡への思い入れが強い宮地選手にとっても大きな一年ですね。

 「その通りです。昨年は福岡でSGがなかったので、正直言ってモチベーションを保つのに苦労しました。常に福岡のSGやGⅠを目標に置くので…。でも、25年のチャレンジカップが福岡で開催されると決まった昨年7月以降は、全てをここに懸けると決められた。だから今年は1月1日から全てのレースで気合パンパンです」

 ――グランプリよりもチャレンジカップが最大目標?

 「当然です。福岡のチャレンジカップにドリーム1号艇で乗って優勝する。他のレースは全てこのためと言ってもいいです。福岡のチャレンジカップで灰になるまで燃え尽きるつもり。(漫画「あしたのジョー」の)矢吹丈みたいになるまでやりますよ」

■「ファンとの距離が近くて大好き」

 ――からつがホームの佐賀支部ですが、どうしてそこまで福岡が好きなんですか?

 「もちろんからつも好きだけど、自分の中では福岡が一番。ファンの熱さが違うので、自分の中で沸き上がってくるものがある。ピットからスタンドがまるまる見えるので盛り上がりが分かるし、水面とファンの位置も近いから飛ぶ声もめちゃくちゃ聞こえる。ヤジも多いけど、それもうれしいですよ。コロナの時がそうだったけど、シーンとしたところでレースをしても面白くない。福岡は本場にファンが多いので大好きなんです」

 ――福岡市自体にも愛着がある?

 「もちろん。福岡市に住んで長いですから、福岡の街自体も好きです。友人知人も多いし、応援してくれる人も多い。それも福岡ボートで頑張る理由かな。でも、神埼ではあり得ないような渋滞にはハマるし、田舎者の自分にはきつい部分もありますね(笑)」

 ――開会式等を含めて、宮地選手に対する声援はすごいものがあります。

 「ありがたいですし、本当にうれしいですよ。それには僕もレースで返したい。見ている人が面白いと思うレースをしていきたいとはずっと思っています」

 ――具体的には?

 「イン以外で勝つことですね。今のボートレースはインが勝ちやすいのは分かっているけど、イン逃げで優勝したいとは思っていないんですよ。今、業界がこれだけ売れているのはインが強くて分かりやすいからなのかもしれないけど、それだけでは行き詰まるし、やっているこっちも面白くない。『高いレベルでインを崩す』というのはいつも考えています。それが自分が外から勝てている理由だと思うし、福岡はそれが実現しやすいレース場。だから福岡が好きなのもあります」

 ――今回の福岡周年でもその思いに沿った走りが楽しみです。

 「今年の上半期は若松のクラシックとこの福岡周年が、僕の中で最重要と位置付けています。若松では優出できたので、福岡周年は何が何でも優勝するつもりです」

 ――最後に意気込みを。

 「絶対にいいレースを見せるので、応援してください。ネットで見るのではなくぜひ本場に来て生のレースを見て楽しんでください」

■プロフィル

◆宮地元輝(みやち・もとき)
 1986年11月9日生まれ。佐賀県神埼市出身。神埼高卒。2007年6月デビューの100期。登録番号4445。

 デビュー直後はなかなか芽が出ず、芦屋での初勝利まで1年8カ月を要したが、13年1月にびわこでデビュー初優勝を飾ると、急激に成績を伸ばしてA1に定着。22年9月の福岡周年でGI初Vを挙げ、同年12月の大村グランプリシリーズでSG初優出初V。

 昨年はグランプリにも初出場し、トップレーサーの仲間入りを果たした。通算144優出37Vで生涯獲得賞金は5億6426万円(4月7日現在)。同期は桐生順平、川野芽唯、平高奈菜ら。169センチ、56キロ、A型。

■GⅠ開設72周年記念「福岡チャンピオンカップ」

 優勝賞金1200万円。出場するのは、昨年のグランプリを制した毒島誠を筆頭に、一昨年の当地SGメモリアルでVを飾った馬場貴也、今年のBBCトーナメントを制して年頭から飛ばす茅原悠紀と、最強の遠征勢が襲来。

 迎え撃つ地元勢は、前回71周年の覇者・瓜生正義こそF休みで不在だが、元志、仁志の篠崎兄弟と羽野直也のSGウイナー組に、西山貴浩、仲谷颯仁、新開航とエース格が勢ぞろい。V候補は枚挙にいとまがない。

 ダブルドリーム制で、初日はオールSG覇者による「チャンピオンドリーム」。2日目は、YouTubeや各地のイベントでも人気を博す西山を筆頭とした〝ポンコツ会〟のメンバーで構成された「ポンコツドリーム」を実施する。宮地元輝はこのポンコツドリームに4号艇で選出された。

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