【ボートレースびわこ・GⅢオールレディース】西橋奈未 連続優出中のびわこで新期初戦「頑張らないと」/特別インタビュー/5月1日開幕
ボートレースびわこ(滋賀県大津市)
GⅢオールレディース「ビーナスちゃんカップ」
5月1日(木)~6日(火)開催
実績水面で迎える期替わりの初戦だ。ボートレースびわこ(滋賀県大津市)のGⅢオールレディース「ビーナスちゃんカップ」が5月1日に開幕する。その一戦に、主力の一角としての責任と自覚を持って出走するのが、ダブルドリームに名を連ねる西橋奈未(28)=福井・119期=だ。3月に頭蓋骨骨折の大けがを負いながら、わずか半月で復帰したど根性の持ち主。連続優出中のびわこ水面での戦いを前に話を聞いた。
■ボートの楽しさを再認識
――3月15日にまるがめのレースでの事故で頭に大けが。頭蓋骨骨折という診断結果にも驚きましたが、そこからわずか半月ほどのGⅠ宮島周年(4月3~8日)で復帰したのにはもっと驚きました。
「大きい手術をしなくても大丈夫だった分、これだけ早く復帰できた。それは良かったです」
――周年を走りたいとの思いも大きかったのではないでしょうか。
「そうですね。(全国おしなべて)女子が周年にあっせんされる機会は決して多くない中、呼んでいただけたことが本当にうれしかった。一年でどれだけGⅠを走れるのか分からないので、どうしても出場したかったです」
――その宮島では予選を突破。復帰戦ながらも見事な活躍でした。
「恐怖心はありましたけど、それを忘れるぐらいに考えることが多すぎて、がむしゃらに頑張って仕事したという感じでした。復帰戦があの舞台で良かったなって思います。ボートってこれだけ楽しかったんだって改めて思えました 」
――デビューからは8年半。ここまでの歩みをどう評価しますか。
「くよくよしながらも何とか現在地にたどり着いた感じで、スムーズにうまくいっているとは言えないですね。もっと順調に上達できれば良かったなと思います。けがはもちろんですけど、事故率が満杯で何もできない時期も経験しましたし…。人よりも失敗が多い気がします。でも、その失敗のおかげで成長できているとは思います。まだまだ足りていないところばかりですけどね」
――メンタル面の成長もありますか。
「以前はもっと気合や根性でボートに乗っていた部分が大きかったけど、最近はやっと冷静な部分も出てきたかなと思います」
――昨年は5月のオールスター(多摩川)でSGにデビュー。成長に伴って、活躍の場は広がり、戦うステージも上昇するばかりです。
「(SGを走ることで)トップレベルの人たちが目指しているところを、間近で見ることができるのは大きいですね。すごく感化されています。皆さんボートに対して熱心だけど、冷静だし謙虚。その方たちと話す機会が得られることで、自分がすごく成長できている気がしますね」
――5月のGⅡレディースオールスター(とこなめ)、そしてSGオールスター(まるがめ)への出場も決まりました。
「ファンの皆さまのおかげです。投票で出場を後押ししてくれるのはありがたいです。特にまるがめは(今垣)光太郎さんと一緒に出られるのがうれしい。光太郎さんは私たち石川県の大スター。そういうふうに見ていた方と同じ舞台で走れるのは、すごくうれしいことですね」

■「びわこは〝準地元〟」
――いい流れでその特別戦線に乗り込むためにも、期初めのこの一戦は重要。びわこ水面の攻略法はお持ちですか。
「びわこは正直、水面自体は乗りづらいです。でも成績は残せているんですよね(22年10月に優出3着、24年8月に優出2着と連続優出中)。だから、まずはしっかり乗れるような調整をするのが先決だろうなとは思っています。それに、地元と言ってもいいぐらいによく走らせてもらっている〝準地元〟ですからね。そういうのも生かしながら(新期初戦の)ここで勝って、この先へ弾みをつけたいです」
――ドリームメンバーにも名を連ねました。
「選ばれたからには頑張らなきゃいけないな、と気持ちを新たにしています」
――水面が準地元なら、滋賀県自体もおなじみですか。
「滋賀は好きでよく旅行にも行きます。近江牛を食べに、ですね(笑)。あとは『太郎坊宮』(東近江市)という勝ち運を願う有名な神社があるんです。そこが好きで何度か行きました。皆さんも良かったら行ってみてください 」
◆西橋奈未(にしはし・なみ)
1996年7月19日生まれ。石川県金沢市出身。石川県立工業高卒業。福井支部所属。登録番号4961。2016年11月デビューの119期。同期は井上忠政、黒野元基、實森美祐ら。19年3月に三国で初優出(3着)。20年11月に芦屋で初優勝。GⅡは23年11月の三国レディースチャレンジカップで初優出(4着)し、通算3優出。GⅠの優出は21年8月の浜名湖レディースチャンピオン(6着)の1回。SGは24年5月に多摩川オールスターで初出場し、3日目に初勝利を挙げた。同年8月のまるがめメモリアルで2度目のSG出場。一般戦を含めた通算は42優出6V。156センチ、46キロ、B型。
■ビーナスちゃんカップ
5月1〜6日の6日間開催。ダブルドリーム制で、西橋奈未は2日目ドリームの1号艇に組まれている。
「ビーナスちゃん」はビワコオオナマズがモチーフのボートレースびわこの女の子のマスコット。幼なじみの男の子「ビナちゃん」とのコンビで、しばしば場内に登場する。