【児島・G1周年記念】島村隆幸 早くも2度目のG1制覇

児島ボートのG1開設71周年記念「児島キングカップ」は最終日の14日、12Rで優勝戦(1着賞金1100万円)を争い、1号艇の島村隆幸(32)=徳島=がイン逃げで快勝。G1初制覇だった4月の宮島周年からわずか1カ月で2度目のG1制覇を果たした。今年は5度目、デビューからの通算では29回目の優勝。2着は3号艇の毒島誠、3着は4号艇の篠崎仁志で、3連単は4番人気の順当決着。6日間の総売上額は70億9197万円で目標額(65億円)を大幅に上回った。
児島71周年の日別売上額 | |
開催日 | 売上額 |
初 日 | 11億4211万8600円 |
2日目 | 12億1308万7800円 |
3日目 | 10億8841万0300円 |
4日目 | 10億9879万3400円 |
5日目 | 12億0707万5200円 |
6日目 | 13億4248万4700円 |
合 計 | 70億9197万0000円 |
■ヒーロー■
G1初Vの歓喜に浸った宮島周年はたった1カ月前のこと。島村隆幸が再び、喜びのゴールを駆け抜けた。ゴールの瞬間には右手を力強く掲げて、気持ちを精いっぱいに表現。
「宮島は事故レースだったのでガッツボーズは控えた。その分もと思って」
すると、レスキュー艇に乗せられてのウイニングランでは、ファンからお返しの祝福の嵐。「大勢の方が声を張って呼んでくれて、めちゃくちゃうれしかった」。スタンドと一体となった大団円は、目標額オーバーの売上額にも表れた。
注目度はゼロに等しかった低実績機が相棒だった。しかし、身に付けた調整力であっさり克服した。「前節の宮島(準優勝)で試したペラの形。それが良くて、いい体感になってくれた」。同じ海水のお隣からの転戦という流れを最大限に活用。
シリーズを通しても「流れが良かった」と振り返る。「初戦(3コース)で、内が遅れて、まくって勝てたのが大きかった」
ただ、その流れをものにできたのは本人の力。ペラ調整がハマったのは、「最近、ペラは毎節、違う形で行っている」という、強い探究心を持ち続けた取り組みのたまもの。
初戦のまくり勝ちも、素早い仕事で機力を整え、07という早い飛び出しを見せたから。本人が謙遜する以上に、たくましい内容での活躍劇だった。
この優勝で今年の賞金額は4084万円となり、昨年の4717万円を超えるのは時間の問題。順位は5位と、グランプリ入りも有望になった。「昨年はグランプリシリーズに出るのもギリギリだったのに・・・」。本人も驚きの成長曲線を描き、7月には児島のSGオーシャンカップに出場。「意気込み? いつも通りです」。生真面目な「いごっそう」は決して浮かれず、モットーの一戦必勝の構えで、SGの舞台でも最高の笑顔を見せる。
◆島村隆幸(しまむら・たかよし)1990年12月15日生まれ。高知県南国市出身。高知南高卒業。2011年11月デビューの109期。15年8月の住之江ルーキーシリーズで初V。22年の大村グランプリシリーズでSGに初出場すると、そのまま優出(4着)の快走を演じた。G1は今年4月の宮島で初制覇し、今回のVで通算4優出2V。165センチ、52キロ、O型。
■12R優勝戦VTR■
ゆったりとした枠なりの3対3でスタート。
スリットはほぼ横一線。スリットを過ぎても差はなく、内有利にイン(1)島村隆幸が先マイを決めた。次いで(2)吉川元浩が差し、(3)毒島誠は吉川を抑えながらまくり差し。(4)篠崎仁志が2番差しで続いた。
BSは島村が4艇身抜け出し、2番手が接戦。内に吉川、外に毒島で並走。さらに内からは篠崎が舟を伸ばし、2Mへ。
2Mの2番手争いは、外にいた毒島が、内から先取りを図った篠崎を外マイでかわして一歩リード。篠崎を回した吉川は3番手争いに後退。その3番手争いには(5)片岡雅裕まで加わって激戦になった中、篠崎が競り勝った。
