【ボートレースまるがめ(ナイター)SGオールスター】佐藤隆太郎「ここからはグランプリを勝つ確率を上げる半年間にする」見据える視線は既に年末へ

■ヒーロー
まさに圧勝劇だ。スタンドを埋め尽くした鈴なりの大観衆が見守る中、佐藤隆太郎(31)=東京・115期=はインからトップSを決めるとスリット後は他艇を置き去り。峰竜太、茅原悠紀、桐生順平といった現ボート界のトップクラス相手に何もさせず、ただただ強さを見せつけた。

ボート界史上4人目となるSG初Vからの連続V。戦前はプレッシャーが危惧されたが、関東に現れたニューヒーローはどこ吹く風だった。「エンジンは抜群に良くて、(SG初Vだった)若松と同じ感じで落ち着いてレースに行けました」。初戦の強烈なまくり差しでの勝利から、「すごい出方をしていて優勝を意識できた」という今シリーズ。エース47号機を手にできたことはもちろんだが、それを操る佐藤のメンタルの強さも勝因の一つだった。
SGのデビュー戦だった昨年のまるがめメモリアルでは1勝もできずに終わったが、一年もたたないうちに迎えた今節で大きく成長した姿を披露した。「あのメモリアルで、もっと上で勝てる選手になりたいと思いました。だから本当に勝てて良かった」

これで賞金的には今年のグランプリ出場が確定。ただここにも〝強心臓〟ぶりを見せつけていた。「優勝戦はグランプリの優勝戦のつもりで走っていました。だからコンマ15というSは不満。この状況でももっと早いSを踏み込める力を付けたい。ここからはグランプリを勝つ確率を上げる半年間にしていきたい」。SG初Vだった3月からたった2カ月で、既にSGトップクラスの素養を身につけている。ボートレースの歴史に〝佐藤隆太郎〟の名をさらに刻むべく、今度はボート界の頂点を目指した戦いに移行する。(森大輔)