ボートレース

【芦屋ボート・SGオールスター】石野貴之がオールスターV

優勝カップを手に笑顔の石野貴之

 ファン投票で選ばれた人気選手たちが競い合った、芦屋ボートのSG「第50回ボートレースオールスター」は最終日の28日、12Rで優勝戦を争い、1号艇の石野貴之(40)=大阪=が完璧なイン逃げで勝利。大会2度目、SG10度目のVを挙げた。2着は2号艇の濱野谷憲吾、3着は3号艇の倉持莉々で、3連単は2390円の9番人気。6日間の売上額は137億3342万4600円で目標額(130億円)を上回った。

■ヒーロー
 巡ってきたチャンスは逃さない。1番人気に推されれば裏切らない。予選2位から優出1枠を手にした石野貴之が、持ち前の勝負強さと責任感で、SGの優勝回数を2桁に乗せた。

★SG優勝回数ランキング★

選 手 名

V

C
L

A
S

G
C

O
C

M
B

D
B

C
C

G
P


1 野中 和夫 17 1 6 1 1 3 2   3  
2 松井  繁 12 2 2   4   1   3  
3 山崎 智也 11   3 2     2   2 2
瓜生 正義 11   2 1 1 2 3   2  
5 彦坂 郁雄 10 3 3     2 1   1  
植木 通彦 10 1 2 1 1   1 1 3  
池田 浩二 10 2 1 2   1 1   2 1
石野 貴之 10 1 2 1 3     2 1  
9 今垣光太郎 9 1   2   3   2   1
10 中道 義博 8 1 3 1   1     1 1
※選手名太字は現役。大会名はクラシック(CL)、オールスター(AS)、グランドチャンピオン(GC)、オーシャンカップ(OC)、メモリアル(MB)、ダービー(DB)、チャレンジカップ(CC)、グランプリ(GP)、グランプリシリーズ(シリ)

 完璧な内容を自画自賛した。「調整はゾーンに入っていたし、自分もゾーンに入っていた。負ける要素が見つからなかった」。その言葉通りに危なげないイン逃げで、差した濱野谷も握った倉持も全く寄せ付けない圧勝劇。「選手生活で一番出ていたかも」と評した抜群のレース足は、最後まで力を失わなかった。

 コロナウイルスによる入場制限もなく、大観衆が詰めかけた最終日の場内。大歓声を受けながら歓喜のVゴールを駆け抜け、そのままファンの前で何度もガッツポーズ。「たくさんファンの前で勝てて感慨深い。うれしいです」

ウイニングランに出発する石野貴之

 さらに感謝したのが、前節の事故による左肩の脱臼というけがを、劇的に治してくれた医師。「(選んでくれたファンをがっかりさせないよう)オールスターでなければ休んでいたかもしれない」。それほどのダメージだったが、「走れる状態まで治してくれた。感謝しています」。ファンの後押しと周囲の支えにひたすら頭を下げた。

 優勝賞金4000万円を加算し、獲得賞金ランキングは断然のトップ。次に目指すのは史上初の偉業だ。「(GRANDE5を全て制覇すれば授与される、3億円相当の)金のインゴットを持っている姿をファンに見せたいですね」。あとはメモリアル(8月)とダービー(10月)を残すのみで、そうなれば同時にSG8冠も完全制覇。どちらも史上初となる大偉業が、5カ月後にはもう見られるのかもしれない。(小野亮太郎)

テープの舞う中、ガッツポーズの石野貴之

 ◆石野貴之(いしの・たかゆき)1982年6月3日生まれ。大阪府東大阪市出身。近大付高卒業。2002年5月に住之江でデビューの90期。初Vは03年10月の宮島。SGは今回で10Vで、オールスターは17年福岡以来2度目の制覇。通算206優出67V。05年の最優秀新人で、グランプリを制した19年にはMVP、最多賞金獲得、記者大賞の3冠。161センチ、51キロ、O型。父はレーサーOBの美好さん。

金銀銅のメダルを掲げる石野貴之(中央)濱野谷憲吾(左)倉持莉々(右)

■戦い終わって
 濱野谷憲吾(2着)Sは分かっているところだった。足は見ての通り。出ている人とは差があった。もっとエンジンが出ている時に活躍したい。今年の後半も頑張る。

 倉持莉々(3着)足は良かったと思う。レース前もこの優勝戦を楽しもうと思ってワクワクして臨めた。Sと、あとは4番(深谷知博)が先行しているように見えて、1Mも少し焦ってしまった。道中はしっかり3着を守ろうと思って走った。すごくいい経験をさせてもらった。

 瓜生正義(4着)5日目から舟足はしっかりしていた。優勝戦へは微調整で気温に合わせるだけだった。レースは倉持さんに完敗。うまかった。途中からエンジンも良くなって、優勝戦に乗れただけ良かった。

 深谷知博(5着)伸びていただけにS(コンマ15)はもう少し行きたかった。Sを行ききれば。道中の足も優勝戦は攻めた分、パッとしなかった。また次頑張る。

 山田康二(6着)優勝戦は一番仕上げられていたけど、上はいた。Sは全速で行けた。でも1Mはターンがうまくかみ合わなかったし、コースも遠かった。また出直してきたい。

優勝戦の1周1M

■優勝戦VTR
 進入は枠なりの3対3。やや中ヘコミだったがほぼ横一線のスリット隊形から、(1)石野が1Mを先マイ。そのまま後続艇を突き放し、早々とVを確定づけた。

 2番手は、1番差しの(2)濱野谷と外マイの(3)倉持で接戦。さらに最内から(6)瓜生が上昇して2Mへ。

 2Mは2番手で回った瓜生を、濱野谷が差し、倉持が外マイでかわし、まだ両者で接戦。続く2周1Mで濱野谷が単独で抜け出した。

 3番手になった倉持は、最後まで瓜生に迫られたが冷静にさばいて退けて3着を確保。SG初優出で表彰台に上った。

優勝戦の1周2M

 

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