【福岡(サマータイム)一般】山田祐也 いい感覚を取り戻す

ようやく『らしさ』全開だ。山田祐也(33)=徳島=は3日目の2走を2、3着といずれも舟券絡み。2日目までは波に乗れていなかったが、前半4Rは2コースからのツケマイ策、後半10Rは不利枠をものともしないスピード戦で3着と持ち味の旋回力を駆使して悪い流れを断ち切ってみせた。
この活躍の後押しとなったのが、回り足の向上。序盤は乗りにくさに閉口していたが、「やっぱりステバーが曲がっていた。交換したら操作性が格段に良くなった」と修正箇所を発見できたことで問題を解消。強力37号機を相棒に伸びは最初から上位レベルにあっただけに、機力に関してはGOサインを出せるまでに仕上がった。
前期(昨年11月~4月)は不振にあえぎ、残した勝率は6.13。GⅠの常連がまさかのA2降格の憂き目にあった。しかし、原因が何かはハッキリ分かっている。「昨年はSGやGⅠに出ても『出るだけ』という感じだった。だからこれではいけないとターンを改良しようとしたら、うまくいかずに元のいい感覚まで失ってしまって…。ペラ調整から全ての歯車がかみ合わなくなった」
だからこそ、今節も良機を手にしながらリズムに乗れていないとも。とはいえ下を向いているばかりではない。「A2に落ちて言うのもなんだけど、今は進化の過程の中にいると思っています。まずはターンのいい感覚を取り戻してから、進化していきたい」。だからこそ、欲しいのは自らへのカンフル剤。最高の良薬である白星を追い求めて、最後まで突っ走る。(森 大輔)