脳梗塞という危機を乗り越えて実戦に復帰した43歳ボートレーサー・枝尾賢は「改めてデビューし直した気分」【インタビュー(西スポが聞く)】
【インタビュー(西スポが聞く)】
奇跡の復活を遂げた。枝尾賢(43)=福岡・89期・B2=は選手として充実期にあった昨年10月、突然病魔に襲われた。脳梗塞の診断。競技復帰どころか日常生活への支障も危ぶまれたが、懸命なリハビリに取り組み今年4月に実戦復帰。来年1月にはA2級にカムバックする。最大の危機を乗り越えた枝尾に話を聞いた。
(5日からボートレース若松に出走中=10日まで)
--脳梗塞を患う以前と変わったところは
「体調面をより一層気にするようになりました。復帰後の夏場が本当にキツかったんですよ。水分、糖分が足りなくて頭が回らないような感じで、試運転にも出られないくらい。これは今まではなかったことですね。でも、最近は冷えてきて調子は良くなりました」
--レースをする上での感覚は
「そこも戻ってはいないですね。反応速度が遅くなっているのが自分でも分かるし、見えるものも違う。調子が良かった時の6~7割程度だと思います」
--焦りなどはない?
「正直、少し前までふさぎ込んでしまうこともありました。でも今は仕方ないなと思っています。そもそもレースに復帰できたことがありがたい。感覚は変わってしまったけど、これでやっていこうと。改めてデビューし直した気分です。ここからまたGⅠやSGの舞台に戻れるように頑張っていきたい」
--相当な努力があった
「最初に脳梗塞と聞いたときは絶望していたけど、なんとか頑張って競技復帰ができた。僕のインスタグラムの投稿に、同じ病気をされたという方からメッセージをいただいたりもしたんです。僕の経験から、ボートレースファンの皆さまだけでなく、世間一般の方々にも伝わるものがあればうれしいですね」