ボートレース

【徳山ボート・SGグラチャン】唯一無冠の磯部誠が堂々SG初制覇

SG初制覇を果たして力いっぱいガッツポーズする磯部誠

 徳山ボートで6日間にわたって争われたSG「第33回グランドチャンピオン」は最終日の25日、12Rで優勝戦を争い、1号艇の磯部誠(32)=愛知=がイン逃げで1着。優勝賞金3400万円と初のSGVを手にした。平成生まれのSG制覇もこれが初めて。通算では37回目の優勝。2着は2号艇の石野貴之、3着は4号艇の坪井康晴。6日間の売上額は141億5921万3700円で目標額(130億円)をはるかにオーバーする大盛況で幕を閉じた。

■ヒーロー■
 SG覇者ばかり5人を相手に、ただ一人の無冠だった磯部誠が、堂々のイン逃げでV。これがSG初優勝でも、倒した相手はSG計27冠。グランドチャンピオンの称号にふさわしい勝利を手にした。

優勝盾を手に喜ぶ磯部誠

 G1の雪辱がSG優勝という大仕事になった。昨秋の徳山周年は同じく優勝戦1号艇で2着。強い追い風でターンが流れた。ただ「あの敗戦があるから自分は成長できた」。この日は、楽インに加えて絶好の静水面。屈辱を糧に昨年は初のグランプリ入りを果たした不屈の男に、お天道さまは最高のお膳立て。「ベタ水面だったので自信を持って行けた」。その大チャンスを逃さずものにした。

 ただ最後は石野貴之に追い詰められ、冷や冷やの勝利になったことには苦笑い。「1周2Mからは味わったことのない感覚で、体が思うように動かなくて…。覚えていないし、ゴールまでに優勝の確信なんて持てるわけがない。3周2Mは本当に慎重に回った」。レースを終えての第一声が「本っっ当にホッとしました」。1号艇の重圧と、あわや逆転負けのピンチをくぐり抜けた気持ちを一言に込めた。

 この優勝で今年の賞金ランクは2位に浮上。昨年、初出場のグランプリでファイナルに進出し3着で表彰台。一流としての地歩を固めつつあるが、「自分は一歩ずつの泥くさいタイプ」と語る男は、お高くとまるつもりは全くない。「自分の仕事はお客さんのお小遣いを増やすこと。今後も一般戦もG2も一走一走、気を抜かずに走りたい」

 ただし一つだけ、大きめの買い物を公約。「この優勝賞金で中日ドラゴンズのシーズンシートを買います」。庶民派の味方は、地元プロスポーツの味方としても、愛する愛知の中で存在感を示す。(深堀慎一郎)

■戦い終わって■
 石野貴之(2着)磯部君がいいターンをした。仕上がりは変わらず良かった。
 池田浩二(4着)変わらず目立つ足ではなかったけど不満なく行けた。(磯部誠がSG初V)大変うれしく思う。ワンツーできれば良かったが。
 茅原悠紀(5着)ピット離れや出足を求める調整にしてみたが、裏目だった。
 平本真之(6着)いい調整ができたつもりが、湿気の影響で行き足がなくなっていた。

■優勝戦VTR■
 ゆったりした枠なりの3対3で進入。スリットはカマシ3艇がやや優勢だったが、内勢もほぼ互角。インの(1)磯部が先マイ、(2)石野が差し、(3)平本が外マイ、(4)坪井が2番差しでBSへ。
 BSでは磯部が早々と抜け出した。2番手は石野が優勢。1周2Mは坪井が内から先手を取ったが、石野が冷静に差し返して次位争いの主導権を握った。
 石野はそのまま2番手争いに決着をつけると、じわじわと磯部との差を詰め、3周1Mでは2艇身差まで急接近。それでも磯部が先頭を守り切り、SG初Vのゴールを駆け抜けた。

優勝戦の1周2Mを先頭で回る磯部誠
ウイニングランで多くのファンの祝福に応える磯部誠

 

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