【福岡(サマータイム)一般】江崎一雄 再び一番星へ

最後の一枚を勝ち取った。準優12Rで江崎一雄(35)=福岡=は、3コースから豪快なツケマイに出て2着を確保。逃げた古澤光紀には及ばなかったが、2コースから差した渡辺浩司を競り落として優出の最後の切符を獲得。意気揚々と最終決戦の舞台に乗り込んだ。
機力も完調ムード。「ペラが開いておかしくなっていた」という前半8Rから、短い時間できっちり軌道修正。「Sを放っても出ていくし、掛かりや回ってからもいい。全部の足がいい」。相棒12号機には全幅の信頼を置いており、優勝戦でも臆することなく戦えるレベルに到達させている。
ただ、今節は機力以上に目立つのがターンの切れ味。今節の前に気づいた修正点を実践することで、輝きを取り戻している。「F休みの時に峰竜太さんのターンを見て、旋回に入る前の動作がデビューしてから稼いでいた頃と真逆になっていることに気づいた。大けがをした辺りから狂っていたんだと思う。元のやり方に戻したら、いい感覚が戻ったんですよ」
今節のレース内容はデビュー戦で優出して一世を風靡(ふうび)したデビュー当初の迫力そのもの。10年以上の時を超えて、輝きを取り戻そうとしている。「一度でいいから地元の福岡で優勝してみたい。楠原君よりは伸びるので、楠原君を締め切れれば突き抜けるイメージはあります」。本来なら今ごろ福岡のエースになっていなければならなかった男。再び一番星になるためにも、悲願を達成して出世ロードに返り咲く。(森 大輔)