ボートレース

【びわこボート・GⅡ秩父宮妃記念杯】藤原啓史朗 8戦全勝パーフェクトの特別戦初V

 びわこボート(滋賀県大津市)で熱戦を展開したG2「第67回結核予防事業協賛 秩父宮妃記念杯」は最終日の2日、12Rで優勝戦(優勝賞金460万円)が争われ、1号艇の藤原啓史朗(33)=岡山=がイン逃げで1着。8戦全勝のパーフェクトという圧倒的な成績で特別戦初制覇を飾った。通算では4回目の優勝。2着は3号艇の廣瀬将亨、3着は6号艇の佐藤隆太郎で3連単は4400円。6日間の売上額は61億2196万5400円で目標額(45億円)と比べて36%増という大盛況だった。 

特別戦初制覇を果たしてガッツポーズの藤原啓史朗

■ヒーロー■ 徳を積んだ先に待っていた好水面
 最後まで主役を譲らなかった。7戦全勝でファイナルに駒を進めた藤原啓史朗が、最後も危なげなくイン逃げに成功。「先マイすればBSで伸びるから大丈夫だろうと思って、全速で回った。うれしいの一言です」。SG覇者が8人参戦という豪華な顔触れだったびわこ伝統の一戦を、優勝経験が3度だけだった若武者が、パーフェクトVという超ド級のおまけ付きで制し、「夢みたいです」。爽やかな笑顔が輝いた。

 相棒はエース候補の一基だった。「抽選運が良かった」。ただ、その素性抜群機にあぐらをかくことはなかった。「枠番に応じて、調整は結構しました」と仕事を惜しまなかったことで、その能力を全て引き出したというよりも、さらに大きく増幅。予選中から対戦相手に「次元が違う」と絶賛され続けたパワーで最後まで駆け抜け、「僕がパーフェクトですから、エース候補でなく、エース機って言っちゃってください」。成績通りに完璧なまでに仕立て上げた。

 先輩や同期らの支えで余計な重圧を感じずにレースに臨むことができた。「吉田拡郎さんからは、徳を積んでおけよ、と言われて、最終日はいつも以上にいろいろと雑用をしていました」。行いの良さは天にも通じたか、うねりもなく絶好の水面。「思い切ってターンできた」。一切の不安がなくレースに臨めたことも大きかった。

 今月18日から地元児島で開かれるオーシャンカップでSGにデビューする。「いい流れで行けますね」。高校、大学では走り幅跳びの選手として、インターハイやインカレにも出場したアスリート。一躍、時の人になった今年は大ジャンプを見せる年になりそうだ。(深堀慎一郎)

■優勝戦VTR■
 S展示も本番もゆったりした3対3の進入。スリットは(3)廣瀬がトップタイミングの07だったが、インの(1)藤原も11とそれほど遅れることなく踏み込み、1Mは先マイに成功。廣瀬は(2)宮之原を叩きながらまくり差しを入れ、(4)峰も廣瀬に続くようにまくり差しのターンでBSへと抜けた。

 BSは藤原が5艇身抜け出してVは確定的。廣瀬が2番手。1艇身遅れて峰が3番手で続き、2M、2周1Mもその順に回ったが、4番手の(6)佐藤が2周BSで3番手の峰に接近。

 続く2周2Mで、ターンが膨れた峰に対して内を回った佐藤が追い付き、逆転の3着。

優勝戦の2周2Mを先頭で回る藤原啓史朗

■プロフィル■
 藤原啓史朗(ふじわら・けいしろう)1990年3月7日生まれ。岡山県倉敷市出身。倉敷古城池高-立教大卒業。2013年5月にデビューの112期。20年5月に児島で初優勝。G2は20年9月のとこなめモーターボート大賞で初優出(2着)し、今回が3度目の優出だった。G1は22年9月の福岡周年での優出(2着)が1回。通算46優出4V。今月18日から児島で開かれるオーシャンカップでSGに初出場する。170センチ、50キロ、A型。

8連勝を示す藤原啓史朗

■G2の完全優勝■
 過去に4回あり、直近は2009年4月26日の大村モーターボート誕生祭での服部幸男(8連勝)。藤原啓史朗は史上5人目。
 G1では、21年11月9日の三国周年での毒島誠(8連勝)が直近の完全V。

G2の完全優勝
年月 開催地 大会名 優勝者
1982年10月 住之江 高松宮記念 角井 義則
1989年3月 多摩川 レディースチャンピオン 日高 逸子
1992年3月 戸 田 レディースチャンピオン 鵜飼菜穂子
2009年4月 大 村 モーターボート誕生祭 服部 幸男
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