ボートレース

【尼崎ボート・GⅡボートレース甲子園】元球児の片岡雅裕が四国勢初の大会制覇

大会初制覇を喜ぶ片岡雅裕

 本家の甲子園と同じく兵庫県の尼崎ボートを舞台に行われたG2「第5回全国ボートレース甲子園」(優勝賞金470万円)は9日、最終12Rで優勝戦を争い、4号艇の片岡雅裕(37)=香川(高知代表)=が4コースからまくり差しを決めて勝利。2着は人気を集めた1号艇の関浩哉、3着は6号艇の中村晃朋で、3連単は万舟券の決着だった。片岡はこれが通算29回目、特別戦(G2以上)は3回目のVで、G2は初V。四国勢としては初の大会制覇となった。今節の総売上額は73億1695万3300円で、目標額の70億円を大きく上回る盛況で幕を閉じた。

■ヒーロー■ 強心臓のコンマ06
 強心臓を見せつけた。特別戦のFの罰則規定が強化された中、片岡は4カドからコンマ06とゼロ台のトップSを発動。「Sは行くつもりだった。勝つにはこれしかないと思っていた展開だった」。スリットから内の2艇を締め切ると、そこから自らの代名詞とも言える強烈なまくり差し。1号艇の関浩哉はもちろん、SG10冠の池田浩二をはじめ桐生順平、中島孝平とグランプリウイナーも顔をそろえた『決勝戦』で、見事な逆転サヨナラホームランをかっ飛ばした。

 前検から手応えを得ていた機力は、シリーズが進むごとに尻上がりにパワーアップ。しかも、エンジンの特性を完全に手の内に入れていた。「最初から外寄りの方がいいレースができる感覚だった」。だからこそ準優は2着だったとはいえ、4号艇はむしろ『好枠』。これが勝利の背景にあったのは言うまでもない。

 昨年はSG初Vを決めてグランプリにも出場。最高の一年となったが、これが今年の不調を招いていた。「何か達成感があって、春先までは〝燃え尽き症候群〟になっていました」。しかしそれも過去の話。この勝利は、SG初Vだった昨年8月のメモリアル以来のV。これで再び片岡の心に火が付いた。「6月頃からだいぶ払拭して前を向けていました。この優勝で、またグランプリを目指す気持ちになっています」。完全復調の糧を得た四国の真エースが、再びグランプリという日本シリーズに舞い戻るべくこの勢いで突っ走る。(森 大輔)

深紅の大優勝旗を手にする片岡雅裕

■優勝戦VTR■
 進入はS展示と同様に動きはなく枠なりの3対3。

 カド4コースの片岡がトップSを決めて内へと締め込み、3コース中島、2コース池田と叩いたところでまくり差しに変化。イン関が抵抗気味に先マイした懐を突くと、BSではすぐに関に並びかけ、1周2Mは片岡が先行。逆転を狙った関の差しを抑え込み、その後も猛追する関を振り切り1着でゴール。3着争いも中村が桐生の追走を抑えて粘り切った。

追いすがる関浩哉を抑えて先頭を走る片岡雅裕
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