【からつ・G2MB大賞】高田明 復活の時間を短縮させる

インパクト大の勝ち方を見せた。高田明(38)=佐賀=は3号艇で出陣した3日目5Rで3カド発進からまくりを敢行。5コースの安河内健にまくり差されたが、1周2Mで差し返して逆転。「ハンドルを切り直して万事休すの展開なのに、あそこから差しが届くなんてびっくり」。今節2勝目を挙げて、準優1号艇が狙える位置に引き上げた。
衝撃的な勝利を後押しするのが、相棒のエース29号機。前検から手応えは抜群だったが、日を追うごとに威力を増している。「あんな芸当ができるのはエンジンのおかげ。出足や行き足は抜群で、伸びも◎を付けられる」。しかも、これが最終地点ではないのもポイント。「ピット離れとの兼ね合いがどうかだけど、もっと伸びるようにもできそう」。パワーの面においては他の追随を許さない。
もちろん、この足ならVも視野に入るが、肩に力は入っていない。引き受けた『大役』が功を奏して余計な雑念が入らなくて済んでいる。「今節は選手班長をやっているので、ピットでも宿舎でもとにかく業務が忙しくて。でも、逆に気が紛れていいのかも」
山田康二、上野真之介ら同じ峰竜太門下生が全国区に羽ばたく中、近年はF禍で低迷。とはいえ元はA1の常連とあって、今回は捲土(けんど)重来を期すまたとないチャンスだ。「F2からの再出発だったんで元に戻るのは時間がかかると思っていたけど、ここで勝てば復活までの時間を短縮できる」。一時期はB級にまで落ちたが、夢は絶対に諦めない。一発逆転でレーサー人生を好転させる。(森 大輔)