【からつ・GⅡMB大賞】山口剛がG2初Vで全グレードレース制覇
からつボートのGⅡ「唐津モーターボート大賞」は16日、最終12Rで優勝戦が行われ、1号艇の山口剛が逃げ切り勝利。からつは初、またG2も初の優勝で全グレードレース制覇となった。2着は2号艇の峰竜太、3着には6号艇の吉田拡郎が入った。6日間の総売り上げは55億4767万9800円で、目標の48億円を大きく上回る盛況で幕を閉じた。

決して楽な勝利ではなかった。山口は本番でコンマ15のトップS。そのまま押し切り態勢を築くかに見えたが、「峰君よりも伸びている西野君の方を気にしていた」。3カドから攻める西野を意識してか、1Mでは峰の差しも許しかけた。それでも「エンジンから何をしとるんだと言う声が聞こえた」と、今節タッグを組んだ26号機からの活が入ると、BSでは後続との差を広げVゴール。「出足さまさまです」。初のGⅡ制覇を後押しした相棒に惜しみない賛辞を贈った。
オール2連対でシリーズリーダーを襲名しながら、ベスト6への道も平たんではなかった。「番組が出た夜に西山(貴浩)からラーメンの全部乗せとからかわれた。でも本当におなかをこわしますね」という準優戦は、エース機の高田、伸び超抜の藤山、前付けに動く赤岩と強敵ぞろい。それでも、本番ではコンマ01のタッチのタイミングを放って難関を突破。ポールポジションをつかみ取りVへの道筋を立てた。
今年前半は一般戦回りを強いられたこともあり、賞金ランクも43位にとどまる。「やっとここからグランプリに積み重ねられる」と年末へ向けてエンジンもかかってきた。「こういう簡単じゃないところを勝てたので強くなれたと思う。去年より厳しいけど挑戦したい」。反骨心の塊の男が逆境をはねのけて、師走の大一番に再び名を連ねてみせる。(古賀正史)