【クローズアップ】山下和彦 穴党ファンのサンタになる【福岡】優勝戦3号艇

見事な勝ちっぷりだ。準優11Rで2号艇の山下和彦(53)=広島=は、2コースから教科書通りの差しを披露して白星を奪取。「長野(壮志郎)君がターンで少し浮いていたもんね」と長野がわずかに見せたスキを見逃さないのは百戦錬磨のなせる業だった。
機力も上昇一途。今節は天候の変化が大きく、準優は前検と比べて気温が10℃近くも下がったが見事に対応。「出足や回り足は最初よりだいぶいい。行き足も悪くない」。正味の足ではエース機の川上聡介に負けるとはいえ、勝負になる足に仕上げたのはさすがだ。
前期(5~10月)末にも当地に参戦。優出こそ逃したが、きっちり結果を残して3期ぶりのA1復帰を果たしてみせた。だからこそせっかく取り戻した〝定位置〟を手放すわけにはいかない。「A1とA2じゃ全然違う。今期(11月~)は滑り出しが悪かったので、今節をいいきっかけにしたい」。
節間5勝はシリーズリーダーの笠原亮と同等で、旋回の鋭さは五十路(いそじ)を越えても健在。何よりも、「穴党ファンのために好配当を出す」のがモットーとあって、優勝戦も指をくわえて見ているつもりは毛頭ない。「悔いのないレースをしたい。そのためにも、とにかくSに集中」。郷土のイメージカラーである赤いカポックから一発決めて、穴党ファンにいち早くクリスマスプレゼントを届けてみせる。(森 大輔)