【福岡ボート(サマータイム)ルーキーS】末永和也 福岡&ルーキーシリーズ初V
.jpg)
福岡ボートのルーキーシリーズ第14戦「スカパー!JLCカップ」(優勝賞金77万円)は最終日の5日、12Rで優勝戦を争い、5号艇の末永和也(24)=佐賀=が5コースから全速まくり差しを決めて快勝。絶好枠で人気を集めた1号艇の定松勇樹は3コース篠原晟弥のS攻勢、2コース濱野斗馬のツケマイに応戦した分、ターンで流れて末永の後塵(こうじん)を拝した。3着は4号艇宮田龍馬で、3連単は万舟決着という波乱の結末に終わった。末永はこれが通算5回目のVで、福岡は初Vとなった。
■ヒーロー
スター性を見せつけた。降りしきる雨の中での決戦となった今回の優勝戦。5号艇の末永和也は、3コースの同期篠原晟弥が仕掛けた0.07というS攻勢、これに乗じた2コース濱野斗馬の奇襲のツケマイというもつれた1周1Mを冷静に読み解き、電光石火の全速まくり差しを突き刺してVをもぎ取った。
チルトを0.5に上げてさらに上向いた機力、同期篠原がつくってくれた展開と勝因は多岐にわたるが、最大の勝因は盟友定松勇樹へのライバル心にあった。「からつのルーキー戦も1号艇であいつに負けて優勝まで持って行かれて、今回のドリームも1号艇でまたあいつに負けた。悔しくてしょうがなかったし、何としてもここでリベンジしたかった」。同じ峰竜太の門下生で、自身が124期、定松が125期の在校勝率1位&卒記チャンプ。一生涯を懸けて争う相手であり、かけがえのない仲間だからこそ絶対に負けられなかったのだ。
このVが末永にもたらしたものは大きい。幼少の頃からボートレースが大好きだった末永にとって、福岡でのVは『初心』を思い出させてくれたからだ。「福岡は親とよく来ていたし、ここで優勝したいと子供の頃から思っていました。だから本当にうれしい」。ゴールとともに見せたガッツポーズには、末永のボートレースに対する熱い思いが込められていた。
見据える視線は常にSGの大舞台。今年は2月の若松地区選でGⅠ初Vを成し遂げたが、直後の多摩川周年の準優でFを切りGⅠは6カ月の出場停止となり、大飛躍のきっかけを失っていた。ただ、上を目指す意欲は少しも失っていない。「来年は大きなところを走りたいし、しっかり優勝回数を重ねていきたい」。持てる能力は既にSGクラス。熱い思いも取り戻した末永が、ここからスター街道を突っ走る。(森 大輔)