ボートレース

【とこなめ・G1周年記念】濱野谷憲吾 23度目のG1V 「もうすぐ50歳のオレがG1を勝てるとは」

優勝戦の1周2Mを先頭で回る濱野谷憲吾

 とこなめボート(愛知県)で熱戦を展開したG1開設70周年記念「トコタンキング決定戦」は最終日の5日、12Rで優勝戦を争い、1号艇の濱野谷憲吾(49)=東京=がイン逃げを決めて、今年4度目、G1は23度目、通算では99回目のVを挙げた。2着は2号艇の森高一真、3着は4号艇の中田竜太で、2連単、3連単とも1番人気で決着した。6日間の売上額は69億6009万2600円で目標額(60億円)を大幅にオーバーした。

優勝カップを掲げる濱野谷憲吾

■ヒーロー
 さすが東都のエース。王道のレールに乗ってしまえばやっぱり強かった。予選をトップで通過して大会を引っ張った濱野谷憲吾が、準優に続いて優勝戦もイン逃げに成功。節目の第70代のとこなめ周年覇者になった。「オレでもG1を勝てるんだね。(11月には)もう50歳だよ」。そうおどけたが、「若い人と比べても、スピードは遜色ないと思っている」とも胸を張った。20代の頃と全く変わらぬターン力の持ち主の優勝は、周りからすればちっとも意外ではない。

 ただ、1Mのターンは大失敗。ターンマークを外して懐はがら空きで、「ターン漏れしちゃって(差されないか)心配だった」。それでも素早く加速すると、2コース差しで迫った森高一真をぎりぎりで封じた。「逃げ切れて良かった。池田浩二ならこういうペラ調整をするんじゃないかなとイメージして、ペラを叩いたんだよね。いい状態で行けました」

 普段からペラ調整を相談し合う仲でもある、そのとこなめの大エースはF休みで今大会に不在だった。それでも心の中にあったこれまでの関係性の蓄積が、最後の最後で存分に生きた。

 この優勝で来年3月に戸田で開かれるSGクラシックの出場権をゲット。「大きいですね。今年の残りは伸び伸びと走れるんじゃないかな」

 賞金ランクも7位まで浮上。こうなれば、あとは年末の頂点へとまっしぐらに突き進むだけだ。「(トライアル2nd入りの)6位以内に入りたいし、できれば2位でグランプリに行きたい」。賞金2位でトライアル2ndの1枠まで手に入れば、ファイナル1枠でVを取り逃がした21年前の無念を晴らす第一歩になる。

 「オレでもグランプリを勝てるんだね」。年末にはそんなフレーズが飛び出すことを楽しみにしていたい。(深堀慎一郎)

ボートレース振興会会長賞メダルを手に笑顔の浜野谷憲吾

■プロフィル
 濱野谷憲吾(はまのや・けんご)1973年11月8日生まれ。東京都出身。駒沢大高中退。1992年5月デビューの70期。デビュー2年目の93年9月に戸田で初V、6年目の97年9月に桐生でG1初V。SGは7年目の98年10月の福岡ダービーで初制覇し、通算5V。一般戦も含めた通算では336優出99Vを誇る東京支部のエース。兄・憲尚さんは元JRA騎手。169センチ、57キロ、A型。

レスキューに乗ってのウイニングランで観客の声援に応える濱野谷憲吾

 

  • Twitter
  • Facebook
  • Hatena

関連ニュース

  • Twitter
  • Facebook
  • Hatena