【ボートレース】山口出身の小林京平がボートーレーサー養成所133期チャンプ
ボートレーサーを目指し、1年間の厳しい訓練に耐え抜いた133期の修了記念競走が22日、ボートレーサー養成所(福岡県柳川市)で行われた。133期のチャンピオンを決める「養成所チャンプ決定戦」は、3号艇の小林京平(25)=山口=がまくって優勝した。山口出身のチャンプは127期で史上6人目の女子チャンプとなった清水愛海以来。2着は2号艇の長尾萌加(22)=岡山、3着は4号艇の香川陽太(20)=滋賀=が入り、リーグ戦勝率1位で1号艇の澁川夏(20)=大阪=は6着だった。郷土勢7人を含む修了生27人(女子9人)は、11月から全国各地でデビュー戦を迎える。
◆ヒーロー
小林が無心の走りで133期の頂点をつかみ取った。レース前の展示航走ではコンマ03のスリットオーバー。「絶対にSの事故だけはしないように行った」と本番では気を引き締めてコンマ13のSを放った。スリットを過ぎてからは「外から伸びてくるのが見えていた」。冷静に1Mまで舟を進めると、「思い切って握ってまくって行こうと思っていた」と迷いなく全速ターンを繰り出した。BSでは先頭に躍り出ると、慌てず騒がずの落ち着いたターンを重ね、「ホッとしました。最高です」とチャンピオンロードを走り切った。
133期では最年長として期を盛り立てた。「一番長くて濃かった一年」と振り返る養成所生活では、初期訓練では小隊長も務めた。落ち着いて課業も要領よくこなす姿に、仲間たちからは「おじいちゃん」と呼ばれ慕われていた。そんな立ち振る舞いとは裏腹に、レースでは大胆さも兼ね備える。1年間指導をした原田富士男教官も「豪快なターンは魅力」とその旋回力にはお墨付きを与える。リーグ戦では第1、2、4、5、7回とコンスタントに優出し、第4回では優勝も果たすなど抜群の安定感を示してきた。
「自分が(プロデビューしてすぐに)出ても足元にも及ばない。初心に返って頑張りたい」。あくまで冷静に足元を見つめ直す。それでも「将来は地元の徳山クラウン争奪戦(G1周年記念)を取りたい」と心には熱い闘志を秘める。この道を目指すきっかけとなったのは幼なじみの「おじ」でもある江本真治。地元の偉大な先輩に負けない選手になるべく、11月の下関でプロの第一歩を歩み出す。(古賀正史)