【びわこボート・西スポ杯】市橋卓士が今年3度目V 1年前の雪辱果たす
びわこボートで6日間にわたって争われた「第7回西日本スポーツ杯」は最終日の27日、12Rで優勝戦を争い、1号艇の市橋卓士(44)=徳島=がイン逃げを決めて1着。今年3度目、通算では53回目のVを挙げた。びわこでは2度目のV。2着は2号艇の福来剛、3着は3号艇の村上遼で、3連単は550円の1番人気だった。
■ヒーロー
1年前の苦い記憶を自らの手で過去のものにした。昨年7月のびわこでは1号艇で優出しながら3着にとどまった市橋卓士が、同じ1号艇で今度は人気に応えて押し切り勝ち。ゴール後は、多くの投票で応援してくれたファンに感謝のウイニングラン。
「久々のウイニングランで気持ち良かった。雪辱? そやね。タイミングは遅かった(自らのS力=13=より断然平凡な18)けど、負けないスタートは行けた。仕上がりも変わらず良かった」。しっかり主導権を握ると、ミスなく先マイを決めて、後続を振り切った。
「今節はツキがあった」と振り返る。「前操者の前の中間整備で上向いているエンジンが抽選で引けたしね」。抽選は最後から2人目。残り二つのうちの一つだった。「もう一つが杉山正樹君のエンジン(準優前にシリンダーを交換するなど整備の連続だった)。あれが明暗を分けたかもしれない」
さらに「何だか意識しないうちに得点率トップだった」。2日目に中枠2走で連勝して首位に立ち、そのまま首位を譲らず駆け抜けたが、その2日目のうち1走はF艇が除外されたことによる「恵まれ」。確かにツイていたが、そのF艇にまくられながらも2番手に浮上した運びは絶妙の一言。ツキの流れを全て生かし切ったのは実力のたまものだ。
これで今年3V。来年のSGクラシック(年間5~6Vがボーダー)へまだまだ挑戦できる。「またチャンスがあれば頑張るけど、行けたらいいな~ぐらいの気持ち。大きな目標を立てるより、一走一走頑張ることですよ」。その姿は自然体で好結果を生み出した今節の走りともダブる。日々の積み重ねでSGロード復帰を目指す。(深堀慎一郎)
■プロフィル
◆市橋卓士(いちはし・たかし)1979年9月5日生まれ。徳島県鳴門市出身。鳴門高卒業。2000年5月デビューの86期。03年7月に福岡で初Vを挙げ、15年2月のまるがめ四国地区選でGⅠ初V。SGは過去20大会に出場し、優出は15年の蒲郡メモリアル(転覆)と20年下関メモリアル(4着)の2回があるが、Vはまだない。美容師の妻によるヘアスタイルはバリエーション豊富。165センチ、57キロ、A型。