【クローズアップ】藤原気力で負けない 【徳山】

「逃げられて良かった」。藤原菜希(36)=東京=は、勝負駆けの予選ラスト1回走りで白星。ホッとした表情でピットへ引き揚げた。勝負駆けとはいえ、最低でも4着条件。それを絶好枠で迎えるとなると、条件面ではかなり有利。それでも不安の種がつきまとっていた。「やっぱり余裕はないですね」と序盤から頭を悩ませる機力不足はここでも解消せず。それでも持ち前の積極果敢なSで、ベスト18の道を切り開いた。
「F休み明けからなんですけど、調子は良くないんですよ」。2022年最後のVを飾った11月の三国女子戦を境に、調子は下降気味。年末の住之江も思うような結果を出すことができなかった。ただ、その昨年は自身の年間優勝を大きく更新する4Vを果たすなど、飛躍の年でもあった。しかもそのうち全てが、1枠以外の離れ業。「2コースだろうと、勝てるようにと思って臨んでいた」と気持ちの面では決して負けないように努める。機力以上の“気力”でベスト6の道もこじ開けてみせる。